7月3日 NHK「おはよう日本」
山口県長門市三隅上地区では毎年多くの蛍が飛び交う。
この季節は地区ならではのものがある。
麦わらで編まれた“ホタルかご”である。
ホタルかごを広めている原田美寿子さん(82)。
原田さんが子どものころによく遊んでいたホタルかごを記憶を頼りに復活させたのはおよそ20年前。
友だちとの何気ない会話がきっかけだった。
(原田美寿子さん)
「ホタルかご作ってたよね。
ああじゃないこうじゃないってやりながら
これできたって。
子どものときの記憶ってすごいねと。」
ホタルかごは水で湿らせた麦わらをつなぎ合わせ竹の骨組みに編み込んで作っていく。
子どもでも簡単に作ることができる。
原田さんはかつての自分のように
地域ならではのものを手作りする楽しさを知ってほしいと考えている。
(原田美寿子さん)
「子どものころに他の遊びがなかったから親から教えてもらって遊んでいた。
ホタルを入れて
夜明かりがもれる。
それがきれいなんです。
ホタルかごというのは昔こういうふうに作っていたというのを知ってほしい。」
原田さんと同じ思いの地元の人たち。
毎年 子どものためにかごの材料を準備する。
ホタル祭りの日
ホタルかご作りを教える原田さんたちのもとには多くの子どもたちが集まった。
ホタルかご作りに子どもたちは夢中になる。
「ここをしっかり折らないときれいにならないよ。」
(参加した子どもの母親)
「初めて作るのでできないところとか最初から組み立ててもらった。
とてもありがたく教えてもらった。」
(参加した子ども)
「楽しかった。」
「きょうホタルを捕まえてこの中にいっぱい入れます。」
原田さんは
故郷を思う心を持ち続けるためにもホタルかご作りを受け継いでほしいと考えている。
(原田美寿子さん)
「ことし作った子どもが来年もまた作りに来てくれるかもしれない。
若い人たちにも覚えてもらって
続けてもらいたい。」