6月26日 国際報道2019
世界有数のワインの産地
フランスのボルドーで開かれたイベント。
EPAを受けて日本市場に期待する声が聞かれた。
(ワイン生産者)
「日本は私たちの一番の顧客です。」
「関税がなく自由に貿易ができるのはすばらしい。」
順風満帆に見えるフランスのワイン。
ところがそうとも言えないのである。
ボルドーでも高級ワインの産地として知られるサンテミリオン。
醸造所の共同経営者 ダビッドボリュウさん。
約400年前から代々ワインを造り続けている。
(ダビッドボリュウさん)
「ブドウの形になってきているでしょう。
今がとても大事な時期なんです。
これが全体の品質塗料を保証するからです。」
ダビッドボリュウさんは生産量の約2割をアメリカとイギリスに輸出しているが
最近ある不安を抱えている。
6月アメリカのトランプ大統領から飛び出したこの発言。
(米 トランプ大統領)
「フランスはアメリカのワインに多額の関税をかけているが
我々はごくわずかしか課税していない。
実に不公平だ。
何か手を打つつもりだ。」
フランス産ワインの関税を引き上げることを示唆したのである。
さらにイギリスではEUからの離脱問題で
合意なき離脱を持さないとする強硬派の候補が次の首相になる可能性が高まっている。
(ダビッドボリュウさん)
「一番の懸念はイギリスの合意なき離脱です。
もし合意できなければ高い関税がかかる恐れがあります。」
そこでより期待を寄せているのが日本である。
今は生産量の5%となっている日本向けの輸出を増やしたいと考えている。
(ダビッドボリュウさん)
「日本は安定しています。
ワイン通が多い市場で
進出できて満足です。」
生産者団体も日本の市場価値は高まっているという。
(ボルドーワイン委員会 シャトー広報部長)
「イギリスの離脱で経済そのものが悪化し
消費が減ることを懸念しています。
日本はボルドーワインにとって極めて優良な市場です。
売り上げ増を目指し
消費者向けのPRに力を入れていきたいです。」
刻々と変わる国際情勢にどう対応するか。
フランスのワイン業界も新たな戦略を迫られている。