6月17日 国際報道2019
6月にフランスで開かれたアヌシ―国際アニメーション映画祭。
世界最大級のアニメの映画祭である。
日本のアニメ監督による差深海に大勢の人が集まった。
(来場者)
「日本のアニメが大好き。
ヨーロッパのアニメとは全然違う。」
映画祭の一角で今回初めて行われたのが第一線で活躍する日本のアニメーターによる講習会である。
学ぶのは日本で主流の手描きによるアニメの描き方。
アニメ業界を目指す若者たち21人が参加した。
参加者の1人エーデルワイス・バジさん(19)。
「普段はコンピューターを使ったアニメーションを学んでいますが
日本で主流の手描きのアニメにもとても興味があります。」
幼い頃から日本のアニメが大好きだったというバジさん。
7歳から漫画を描き始め
15歳のときには地元の漫画コンクールで賞を取ったこともある。
自分の表現力にさらに磨きをかけたいと講習会に参加した。
「大事にしたいのは体の動きを分析することです。
私たちが描くのはロボットではなく生身の人間なのですから。」
今回講師を務めた押山清高さん。
これまでジブリ映画など数々の原画を手掛けてきた。
世界のアニメ業界ではいま急速にデジタル化が進んでいて
コンピューターでキャラクターを動きを作るのが主流になってきている。
しかし日本ではいまでも動きを1枚1枚動きを手描きしていくことが重視されている。
動作の基礎を手の感覚に刻むことで
コンピューターではできない豊かな表現が生まれると押山さんは言う。
講習会では箱を持ち上げる動作をパラパラ漫画として描く課題が出された。
バジさんも実際に体を動かしながら動作を注意深く観察。
その動きをキャラクターに落とし込んでいく。
しかし押山さんに見せると
「このキャラクターの顔の向きを意識していますか?」
「私の考えではまっすぐ前を向いています。」
「前を向いています。
これは斜め下を見ています。
これでまた前を
そしてまた下を向きます。
短い間の中で視点の方向が変わりすぎてカクカクしてしまいそうです。」
「確かに変ですね。」
再びペンをとったバジさん。
目線の変化を意識して絵を修正していく。
(アニメーター 押山清高さん)
「最終的なアウトプットの段階では
モーションキャプチャー(コンピューター)で得られた動きも整理しなくてはならなかったり
物語に合わせて微調整を加えなければならない。
自分で動きを作れる感覚が歩かないかで仕上がりが変わると思う。」
最後は完成したパラパラ漫画を披露した。
指摘された顔の動きもスムーズになった。
(エーデルワイス・バジさん)
「私もいつか誰の真似でもない作品を作れるようになりたいと思いました。
“これが私流よ”なんて言えるようなね。」