7月2日 NHK「おはよう日本」
いま高齢出産や不妊治療の増加を背景に
小さく生まれNICU新生児集中治療室に入院する赤ちゃんの割合は増えている。
そうしたなか誕生のお祝いなども十分にできないままになってしまう赤ちゃんも少なくない。
こうした家族を元気づけようという活動が山口市で始まっている。
山口赤十字病院の新生児集中治療室(NICU)。
その一角でこの日 明るい声が響いていた。
「よかったね。
ウエディングドレスみたい。」
退院が近づいたこの日
特別な衣装を借りて初めての記念撮影に臨んだ。
「こんな可愛い衣装
自分では用意できないので記念になりました。」
24時間体制で治療を行うNICU。
入院が長くなると
生後1か月頃のお宮参りをはじめ
日々の成長をお祝いできないケースも少なくない。
そこでこのNICUではそうした家族のために手作りの撮影グッズが豊富に用意されている。
女の子だけでなく男の子のベビードレスも。
さらにクリスマスや節分
ハロウィンなど
季節のイベントの衣装まで。
肌に直接触れる部分は柔らかいガーゼになっている。
デザインにも工夫が。
衣装が着せることが出来なくても被せるだけで撮影ができる。
(看護師長 吉岡さん)
「治療が成されている殺伐とした中で
癒しになる
楽しみというか
すごくいいなと思いますね。」
撮影グッズを作っているのは山口氏の育児サークルである。
実はメンバー全員 子どもがNICUに入院していた経験がある。
撮影グッズをNICUに届けることを発案したKUMIKOさん。
KUMIKOさんには小学6年生の長男と小学2年生の双子の息子がいる。
双子のHARUTO君とHIROTO君は生まれてすぐNICUに入った。
予定日より2か月早く緊急の帝王切開で出産。
HARUTO君は1400gで1か月入院。
一方554gだったHIROTO君は4か月余も入院し
KUMIKOさんは不安な日々を過ごした。
(KUMIKOさん)
「こんなにちいさく産んでしまって
私自身が申し訳ないなって
子どもに対して。
病院のトイレに行って泣いたりとか階段の隅っこで泣いたりとかしていました。」
そんなときKUMIKOさんの心を救った出来事があった。
NICUの看護師がつけていたHIROTO君の成長記録である。
看護師たちがHIROTO君の生後100日をお祝いし記念の写真を残してくれていたのである。
(KUMIKOさん)
「本当だったら家に帰って家族でお祝いするところなんですけど
こういったもので食べる真似をしてお祝いしたよって
撮ってくださったのがすごくうれしかったんです。」
お祝い事ができない家族の助けになりたい。
KUMIKOさんたちが作った撮影グッズで去年から50組以上が記念写真を撮った。
KUMIKOさんたちは今新しい衣装のデザインに取り掛かっている。
(KUMIKOさん)
「お子さんが入院していても
笑顔になれる瞬間が増えたらいいなっていう思いで
その思いが届けば私たちの本望。」
心を込めた撮影グッズでKUMIKOさんたちはこれからもエールを送る続ける。