3月25日 NHK「おはよう日本」
スペースデブリ=宇宙ごみ(使用済みの衛星やロケットの破片)。
地球の周りには無数の宇宙ごみが飛び交っている。
これらが衛星などにぶつかると
GPSや通信が使えなくなるというリスクがある。
この宇宙ゴごみを掃除する新たなビジネスを世界に先駆けて起ち上げた企業がある。
宇宙ゴミの回収・除去を代行する企業 アストロスケールの岡田CEO。
オフィス内で開発されている衛星は宇宙ごみの回収専用の衛星。
実証実験に向けて今年中の打ち上げが予定されている。
(アストロスケール 岡田CEO)
「フライトモデルと言って
もうすぐ打ち上げ前のもの。」
独自に編み出したのはごみを磁石で捕まえる方式である。
まず回収対象となる衛星などにあらかじめ磁石に付くプレートを取り付ける。
そして回収後の衛星に付いている磁石とくっつける。
その後 大気圏内に突入し一緒に燃え尽きるという仕組みである。
「磁石を使うのは岡田さんの発想?」
「そう 軽いし 安いし 切り離せる。
ロボットアームだとごみに間違って当たるとスーッと飛んでいく。
磁石だと最後自動的にくっついてくれる。」
岡田さんが宇宙ゴミビジネスを起ち上げたのは7年前。
当時IT企業の経営をしていた岡田さんの背中を押したのは強い好奇心だった。
「スペースデブリ=宇宙ごみ問題が喫緊の課題だと知って
かつ 誰も“解”を持ってない。
“なんて楽しそうな世界なんだろう”と。
競合がいないというのは
ブルーオーシャン(未開拓市場)だなと思った。」
いまや世界規模で宇宙ごみの問題が議論されるようになった中で
岡田さんは“キーマン”として一目を置かれている。
宇宙ごみの処分については国際的ルールが十分には整備されていないという。
そこで岡田さんは衛星の開発だけではなく
そうしたルール作りにも積極的に携わっている。
「世界中の宇宙機関・国と
どういうことをすれば安全だと認めてもらえるのかを議論して
それに沿った設計をやってきている。
許可制度があるが
許可をちゃんと取れて保険もつけられるようなものまで仕上げた。
つまり“ビジネス・レディ=ビジネスにそのままいけるもの”にした。」
すでにアメリカ企業の衛星に磁石に付くプレートを取り付けてもらうことも決定している。
さらなる顧客の開拓を目指している。
「宇宙ごみ除去市場というのは
1回サイクルに入れば
ずっと定常的に利益が生まれるサービス。
2030年にはデブリ(宇宙ごみ)除去というのが
定常化されているようにしたい。
世界の突破口が開けるんじゃないかと思う。」