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がんばろう

2020-04-18 07:00:00 | 編集手帳

3月26日 読売新聞「編集手帳」


木は燃えて火が生まれ、
火の後には灰(土)が残る。
土からは鉱物(金)が得られ、
金属はやがて冷え表面に水を浮かべるようになる。
水は根から吸収され木が生まれる。

万物は木、火、土、金、水から成るという中国古代の思想「五行相生説」である。
逆に「相克説」というものもある。
順序よく流れればいいけれど、
例えば火と水は相性が悪い。
お互いに打ち消し合うことになる。
感染症を広げない取り組みと、
経済活動の関係によく似ている。

外出禁止令が出るほどの状況ではない日本では、
火と水の両方がだめにならないように、
みなで相克の谷を渡って行こうということだろう。

一つ挙げれば、
学校の再開が試金石になる。
手洗い、検温、マスク、換気、密集や近距離での会話を避ける――
文部科学省が示した指針は学校生活だけに当てはまるものではあるまい。
働いたり、
余暇を過ごしたり、
外に出て活動する人すべてに求められることに違いない。
この先少しでも亡くなる人を減らせるように、
生きていくために必要な経済の基盤がこれ以上壊れないようにするために。

がんばろう。
子供たちと一緒に。

 

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