一般的にいって、いまの中学生は、一人ぼっちになることを嫌がります。怖がります。
大学生でも、学食で一人で食事をとると、まわりから、友だちのいない人と思われると感じて、トイレの個室で食べる人がいるというのは、事実です。
三中の子も例外ではありません。「ぼっち」になるのを怖がります。
いつもだれかといたい、まわりから認められたいという承認願望が強く出ます。
SNSで、「いいね」をたくさんもらえる人、たくさんの「友だち」をもっている人が、「人気のある人」と思われやすいのです。
そのバックグランドには、「孤独」がダメなもの、寂しい、情けないことという固定観念があるのでしょう。
しかし、中学生のうちに、一人になり自分という人間をしっかりと見つめる、内省することは不可欠です。
それは、孤独にならないとできないことです。
私は、一人でいることは、子どもの頃から、あまり苦手ではありませんでした。
妻が愛する人であったとしても、まったく同じときに死ぬのではない。
生まれたときも、一人でした。
人は、一人で生まれ、一人で生涯を閉じる。
人は孤独に生まれ、孤独にかえります。
この考えを、シニカルだと感じる人もいるでしょう。
ただ、私が中学生に言いたいのは、「いいね」がなくても、いつもまわりに友だちがたくさんいなくても、一人で十分楽しいと、自分が思うことができる経験だけはしておいてほしいということです。