箕面三中もと校長から〜教育関係者のつぶやき〜

2015年度から2018年度に大阪府の箕面三中の校長を務めました。おもに学校教育と子育てに関する情報をのせています。

自分を生かせる道を選らぶ

2018年01月29日 15時21分21秒 | 教育・子育てあれこれ


私は経験上、思うのですが、子どもが「私は将来、これをしたい」という意志をはっきりと主張するときは、自分の力を発揮でき、自分をいかすことができると強く思っている証であると。

「飛行機の整備士になりたいので、高校は普通科には行かない」と中三の男子生徒が言い出しました。

親御さんは、高校は普通科に行き、一流大学に行かせたいという願いをもたれていました。

親子のあいだに葛藤が生じました。

今まで、親の言うことには従ってきた子が、頑固に自分の考えを通そうとする態度に、親御さんも戸惑い、びっくりした様子でした。

でも、結局は子どもの希望を聞き入れ、その子は山梨の航空高校に行きました。

ただし、親が息子の進路選択を応援し、喜ぶようになるまで半年かかったそうです。

5月に息子がいい出し、ちょうど進路の懇談になる11月ごろに、子どもの選んだ道を心から祝福して喜ぶようになったとき、親子の対話が違ってきたそうです。

幼いころから、かわいがられ、学校では上位の成績。親は当然、子どもに期待をかけます。

とくに、普通科志向が強い豊能地区です。「いい普通科の高校」に行かなければならないことで、子どもが受けていた重荷は、親が思う以上だったかもしれません。

しかし、子ども自身が、自分のやりたいことや自分の力を発揮でき、自分をいかすことができる場所は、普通科でないと感じたとき、葛藤となりました。

あとで、親御さんが次のように述べられていました。

「今まで家庭にはあの子の落ち着く場所(=居場所と言い換えましょう)が、なかったのだと思いました。」

自分の生き方を選び、その生き方を親に認めてもらえた子は、家庭に居場所をもち、親子の対話もうまくいくようになります。