少し前から、教育界ではフィンランドの教育が注目されています。
これは、PISA調査(国際学力調査)の結果で、フィンランドの子どもたちが、いまの時代に必要な学力の高さを示しているからです。
一般的にいって、フィンランドのお母さんは、わが子に「どうして」といつも問いかけます。
子どもが行ったなにかの行為に対して、「なぜそうしたの?」と問いかけます。
子どもの考えに対しては、「なぜそう思うの?」と問いかけます。
日本のお母さんも、「なぜそうしたの?」とききますが、それは意味の違う場合が多いようです。
「なぜ、いつも悪いことばかりをするの」というニュアンスで聞いているのです。
その結果、子どもは親の機嫌をうかがう、または、親の言いたいことを先読みして、その通りに発言したり、行動しようとします。
このやりとりには、子どもが考えるという活動はありません。
この親子の話を本来必要な「なぜ」に変えるには、子どもがまず意見や自分の考えをのべることができる関係をつくることです。
もし、お子さんがあまり考えない子だと思われるなら、問いかけることを継続していいださい。
そのときは、親の感情をいれず、「いまの行動は、何をめあてにしている?」とか「自分としては、どう思っているの?」と冷静に問いかけるのです。
日本の子どもは、小さいときにはけっこう「こうしたい」と言うのに、大きくなると話さなくなる子が多いようです。
ところが、フィンランドや欧米の子は、小さいときには親の言うことにしたがい、大きくなると親と議論する子になります。
親が「わわたしはうまく話せないから」と思う必要はありません。
「どうしたの?」と、子どもに問いかけて、一生懸命に聴こうとするスタンスが何より大切なのです。