私はこの4月から、教育専門員として、箕面市内の中学校をまわり、教職経験の少ない教員の授業を参観します。
参観後には、時間をとってその教員と面談して、コメントをして指導をします。
授業技術や授業内容について指導しますが、教員としての心構えや態度についても、コメントします。
今回は、私が教員の言葉遣いについて感じていることを紹介します。
授業では、中学生に敬語をつかわなくてもいいですが、友だち言葉ではなく、ていねいな言葉遣いをするべきだと考えています。
何かを子どもに頼むときは、「〜しろ」という命令ではなく、「〜しなさい」「〜してください」「〜してくれるとうれしいです」と言うように、若い先生に勧めます。
これを実践する教員は、そのように言ったほうが、子どもは、たいていの場合、気持ちよく頼みを聞いてくれることを経験します。
この経験をそのまま受けて、学習をしない子に「学習してくれますか」とか「学習してくれるとうれしい」と生徒に教師が言うのは適切ではありません。
でも、言ってみるなら言ったらいいでしょう。
ただし、もともと学習するかどうかの最終責任は、子どもが引き受けるべき問題です。
「学習してくれますか」というと、「先生のために学習するのではない!」と、反発心の強い子は言い返してきます。
「こう言えばあのように返してくるのか」。
日々、子どもから学ぶ。
このように試行錯誤を繰り返して、教師と生徒の人間関係は、以前と変わってくるのです。
そして、教員は育ってくるのです。