子どもの自立を阻む、親の過干渉・過保護の要因には、おもに3つあると、私は考えます。
①子どもを認めず、否定する「ダメ」とか「あかん」という一言。
②「心配だから」という親の気持ちや感情が、子どもの成長を時としてさまたげるということ。
③子どもが考え、自分できめる前に、答えを出し、経験の機会をなくしてしまう「先回り」です。
①について
自分で歩こうとする赤ちゃんのように、何かにチャレンジ
しようとしたとき、親が危ないからダメと制止します。
自転車で友だちと出かけたいと聞くと、「危ないからダメ」と止めます。
ほんとうに危険なこと以外は、子どもがやりたいようにやらせるのがいいのです。
そのかわり、何かあれば親の元に戻れる安心だけは残しておきます。
②について
他の子はできているのに、自分の子はできない。
このとき、親は不安になり、焦ります。
みんなが滑り台で、勢いよく滑り嬉々としているのに、わが子だけはおじけづき、すべろうとしない。
集団から取り残されそうになると、平静心を親は無くし、その辛さに耐えられなくなり、「ほら、いくのよ」と急かせます。
なんでわが子は、こんなに引っ込み思案なのかしらと、悩むのです。
できなくてもいい。できることがいいのではなく、自分でやってみることが大切なのであり、うちの子だけができないことを気にしなくてもいいのです。
③について
キャンプに出かけ、マキに子どもが火をつけようとするが、なかなかつかない。
「火をつけるのは難しいから」と、火はつけてやるよと大人が行なう。
火がつかないなら、子どもが火種になる燃えやすい柴を集めてくるとか、紙を柴にうまく絡ませてから火をつけ、勢いよく燃え出すとあおいで、マキに火を広げる。
子どもは、考え、工夫をして、自分で火がつけれるようになるのです。
以上、3点を述べましたが、
大人は「子どものために」と思い、じつは過度に干渉したり保護したりしていることが、今の時代、多いのでないかと思います。
その結果、子どもの生活力が弱くなっているという現実があります。
子どもの自発的な行動を促し、自分でやろう、自分で問題を解決することにつながる子育てや教育を大切にしたいところです。