私が子どもの頃、東京-新大阪間に東海道新幹線が開通しました。開通後しばらくは東京と新大阪を3時間10分ほどで結んでいました。
そしていまや2時間50分ちょっととなりました。
その50年以上の期間に日本経済は高度成長を遂げ、その後のバブルの時代(このころ、商品は高品質化、種類の多さがきわだっていました)、バブル崩壊、「失われた30年」、大きな地震、新型コロナウイルス感染症というように経済・社会は変遷してきました。
この時代を貫いてきた価値やキャッチフレーズは「より速く より高く」だったのではないでしょうか。
でも、これは、今の時代、私たちが目指す共通の目標ではありません。
世界の流れでは、目指す価値は「より豊かに、よりしなやかに より長く」に変わってきています。
つまり、生活の質や柔軟さ、持続可能性に価値を置くようになってきました。
大きなイベントではなく、地域を大切にしたまちづくり、コミュニティ醸成を進めていき、ポストコロナの時代へつなげていくという展望です。
日本人は、より速く、より密度の濃い仕事をすれば生産性が上がると信じてきました。
しかし、時間を効率的に使うことで、結果的には貧しくなってきたのです。
これからはゆったりとした時間のなかで、持続可能な社会へ変わっていかなければなりません。