箕面三中もと校長から〜教育関係者のつぶやき〜

2015年度から2018年度に大阪府の箕面三中の校長を務めました。おもに学校教育と子育てに関する情報をのせています。

法は意識を変える

2023年03月07日 08時20分00秒 | 教育・子育てあれこれ
先日なブログで、悪質な人を傷つけるインターネット上の書き込みや投稿を抑制するとともに被害者救済のための法の改正のひとつとして、刑法の侮辱罪の厳罰化に言及しました。

インターネット上の悪質な書き込みに、1年以内の懲役か禁錮と30万円以下の罰金が加わったのです、

それを受け、昨年11月にYahooはヤフコメに投稿する際の携帯電話番号の設定を義務化しました。

それにより、まったく匿名での投稿はできなくなりました。

結果、どうなったのか。

「投稿停止措置」を受けるユーザーが12月・1月で56%減りました。

やはり電話番号の登録があると、不適切な投稿が減るのです。

ということは、極論すれば今までは意図的に人を傷つける書き込みを、投稿者が特定されないことに乗じて行っていた人がいたということです。

無意識で気づかず投稿していた人ばかりではないということです。

法改正は、一定の効果があるということになります。

法が整えば、さまざまな事情はあったとしても、犯罪は減ります。

それにより、行動が定式化されるようになり、人びとの意識が変わるのです。











学校こそ多様性を学ぶ場

2023年03月07日 07時16分00秒 | 教育・子育てあれこれ

同質性が強くはたらく日本社会で、多様性をつくり出す第一歩はかなり勇気のいることです。

 

だって、ひとりだけちがうと目立ちます。

 

まっ白いテープルクロスにソースを一滴こぼしたようなものです。

 

学校でなら、みんなが「ここは厳粛な場面だから、じっと聴くもの」と子ども全員が合意しているなかに、一人声を出してしまう黙っていることができない障害のある子の声が響くようなものです。

 

わたしも職場で他の職員が忙しそうに事務仕事をしている中、勤務時刻の終わりが来たので「お先に失礼します」と退勤するのは、ちょっと後ろめたさを感じます。

 

でも、ソースのこぼれ以外に、だれかがケッチャップをこぼしたり、子どもがみそ汁のお椀をひっくり返し、お姉ちゃんがデザートのケーキの生チョコクリームを落としたりするテーブルでは、ソースをこぼしたのが目立たなくなります。周りから自分だけが浮くということがなくなります。

 

そして、みんながワイワイガヤガヤと話が弾み、楽しい食事が進んでいく。

 

そうなると、少数派がいなくなり、マジョリティもいなくなるのです。

 

これが多様性でないかと思います。

 

世界全体は、多様性尊重にシフトしていますが、日本社会が多様性尊重社会になるには、同質性を強く求め過ぎないことが必要で、それは若い子が活動する学校でまずちがいを認め、いっしょに活動する経験を積んでいくことができればいいと思います。