日本ではワールドシリーズを控え、とりあげるメディア活動は活発です。
また、侍ジャパンのワールドカップに向け、応援する熱のボルテージはたいそう高まっています。
侍ジャパンの強化試合の応援は多いに盛り上がり、記念グッズの販売は売り切れ続出です。
ただし、報道するメディアの記者やアナウンサーに若い人は少なく、おもに中高年以上の人たちの中で盛り上がっていたのてはないでしょうか。
アメリカでは、1990年代後半から2010年頃までに生まれた若い年齢層、いわゆる「Z世代」のスポーツ離れが進んでいると聞きます。
自分をスポーツファンだと思う人は、いまの10代から20歳代前半が23パーセント。
25歳から40歳までが42パーセント、40歳代から50代前半が33パーセントとなっています。
いわゆる「Z世代」は年齢から考えるとスポーツを好まない人がアメリカで多いと言えそうです。
日本でも、スポーツを観戦したかについての質問には、年齢層が下がるほど低くなっています。
25歳よりも若い人は小さいときからインターネットが近くにあり、SNSを使います。
アミューズメントが広がり、多様化した今、スポーツを観て楽しむことが主流ではなくなってきているのかもしれません。
事実、20代はスポーツ観戦を趣味としないのはもちろん、テレビやネット配信も半数以上がしません。
たしかに、以前の若い子は野球やサッカー観戦をよくしました。
とくに野球は男の子のいちばんの人気スポーツでしたが、今はそうではないというのは中学生をみていても実感します。
中学校の部活では、運動部に入っている生徒が減っているわけではありません。
しかし、もう少し年齢が上がるとスポーツから離れていく割合が増えるのです。
このままいけばスポーツ産業の未来が危うくなります。
また、学校教育では体育のねらいを生涯にわたってスポーツを楽しむ習慣を形成することになっていますが、それも難しくなりそうです。
動画の倍速再生や飛ばしてみる「ダイパ世代」のなかで、スポーツをしたりみたりする価値観をどう育んでいくかは、学校教育の運動に関する面での課題となります。