わたしは大学生のとき、英語研究部(ESS)に所属し、英語でのディスカッション活動をおもにしていました。
他大学のESSとのジョイント・ディスカッションもありました。
ディスカッションのテーマはいろいろありましたが、その一つはMutual Relationships between Japan And ASEAN Contriesでした。
日本とASEAN諸国は、どのように相互の友好関係を築くべきかを、英語で討論しました。
その当時は1980年代であり、日本はアジアで唯一の先進国、ほかのアジアの国々は中国を含めて、開発途上国という時代でした。
日本は、アジアの開発途上国に対してどう支援をしていくかについて、英語を駆使して話し合ったのを思い出します。
ただ、今にしてみると、当時は経済的に豊かな工業国日本が、貧しい東南アジアの国々をどう支援してあげるかという「上から目線」で東南アジアをとらえていたと、自省します。
そして、おそらく1990年代までは、日本には、「東南アジアを助けよう」という意識があったと思います。
しかし、中国が力をつけ、経済発展を達成し、東南アジア諸国が追いかけてくる状況になった今、日本人のなかには「負けてはいられない」という意識が働きだしているのです。
その意識変化がどのような形で現れているかを見極めなければなりません。
日本で、最近「国家主義」が勢力を見せ始め、自国の歴史や文化を重要視して、国としての誇りを示すべきという流れが気になります。
しかし、東南アジア諸国は「平和主義」です。経済的につながり、豊かな国、人びとのしあわせをつくっていこうというスタンスです。
アメリカと中国が対立関係にあっても、東南アジア諸国はどちらにつくということはなく、共通して、平和を希求しています。
日本は、第二次世界大戦後、平和国家を貫いていまにいたっています。
わたしが過去にディスカッションした、相互の友好関係(Mutual Relationships)とは、豊かな国、人びとのしあわせを求める国々の集合体という友好関係を築くという点で、今こそ鮮やかに色づいてくるのだと考えます。
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