箕面三中もと校長から〜教育関係者のつぶやき〜

2015年度から2018年度に大阪府の箕面三中の校長を務めました。おもに学校教育と子育てに関する情報をのせています。

保育士をねぎらう

2020年06月29日 08時21分00秒 | 教育・子育てあれこれ
小学校に入るまでの幼児の育ちにとっていちばん大切なこと。

それは大人との身体接触です。体と体の触れ合いです。いわゆるスキンシップです。

ジョイント・アテンションという言葉があります。

たとえば、小さな子がお母さんの背中におんぶされ、公園を散歩していました。

すると、公園の樹木から、突然一羽の鳥が飛び立ちました。

お母さんは、小さな「アッ!」という声をあげて、鳥の方を見ました。

すると、背中におんぶされている子も、お母さんと同じ方向を見上げます。 

これが、ジョイント・アテンションというもので、密着した関係では、母親がするように幼児もするのです。

このようにして、小さな子どもは、大人とのかかわりの中で、成長していきます。

小さな子どもにとって、いかに大人との身体的触れ合いが大切かということです。

ところが、今回の新型コロナウイルス感染防止のためには三密回避が不可欠と言われます。

保育所や保育園では、保育士が子どもと一定の距離を取らねばならない、マスクをして保育をせざるをえなくなっています。

これは、子どもの成長にとって、少なからぬ影響が出るのではないか。わたしは心配しています。

保育士がマスクをしていると、小さな子どもには、顔の表情が見えません。なかには、口の動きを見て、何を言っているかを理解する子もいます。

そのため、ある保育園では、保育士が顔写真を胸に貼り付け、保育にあたっていると聞きます。

また、小さな子どもは、大人との肌の触れ合いで、心理的に安心します。そして情緒が安定します。

いかに、保育士が苦労をして、保育所を運営されているかは、容易に想像できます。

また、保育園は学校が臨時休校している間も、社会からの要請を受け、開いているところが多かったのです。

たしかに、医療従事者は、コロナ対策の最前線で奮闘されています。

しかし、保育士も子どもと親、そして社会を支えてきているのです。

もっと、人びとは保育士の奮闘に想いを寄せ、その苦労をねぎらっても、ねぎらいすぎるということはないと思います。

また、行政はもっと保育士の人員配置を手厚くして、処遇改善をはかるべきだと思います。




コメントを投稿