箕面三中もと校長から〜教育関係者のつぶやき〜

2015年度から2018年度に大阪府の箕面三中の校長を務めました。おもに学校教育と子育てに関する情報をのせています。

障害者の働く場と収入の確保のために

2025年02月05日 06時50分00秒 | 教育・子育てあれこれ
わたしが教員になった頃、大阪府箕面市では障害者の働く場を作るために市民の活動が活発に行われ、「そよかぜの家」という作業所が生まれました。

そのあと、パンを作り販売する「ワークランド」も設立され、現在もパン販売を行なっています。

そのような作業所は、いまは全国に広がり、作業所は地域の障害者に対して、自立と社会参加と就労に関する事業を行い、支援しています。

ところが、いま、障害者が働きながら技術や知識を身につける就労事業所の閉鎖が相次ぎ、解雇される障害者が多くいます。


閉鎖や廃業をしている作業所は「就労継続支援A型」と呼ばれる事業所です。


「就労継続支援A型」はスキルを身に付けて企業への就職を目指す障害者が利用する作業所です。


障害者が働いて、あげた収益に行政からの補助金をくわえ、そこから給料が支払われていました。


A型事業所は、雇用契約を結び、雇用関係のないB型事業所と比べ、行政からの補助金が手厚かったのです。


ところが補助金目当てに、収益事業の実態に乏しく、障害者に仕事をさせないまま補助金でもうける事業所の存在が問題になったのでした。


そのルール違反をなくすため、国は今年度から、事業収支が3年連続赤字の場合に補助金を減額することにしました。


その結果、「それではやっていけない」と閉鎖・廃業が多発したのでした。



解雇された人の約半数は、単純作業が中心で収入も少ないB型事業所へ移っていきました。


事業者は閉鎖する際、利用者が働き続けられるよう関係機関と調整することが義務づけられています。


ハローワークや社会福祉協議会などと連携し、就労支援に努めなければなりません。


急がれるのは、地道に取り組むA型事業所の経営基盤強化です。


国は今年度、利用者のスキルアップを後押しする事業所には補助を増額する制度を導入しました。


研修などへの新たな助成も検討しています。事業所が取引先を広げるための環境撃備も求められます。


障害者が働きがいを持てる職場が必要です。従業員の力を引き出し、安定した収益を上げられる事業所を増やしていかなければなりません。