箕面三中もと校長から〜教育関係者のつぶやき〜

2015年度から2018年度に大阪府の箕面三中の校長を務めました。おもに学校教育と子育てに関する情報をのせています。

中学生がかわったのは、教師がかわったから

2022年02月27日 08時30分00秒 | 教育・子育てあれこれ
中学校では、「問題行動」の中でも生徒どうしの校内暴力は最近減りました。

わたしが教師になった1980年代は、全国で吹き荒れた校内暴力の波がピークを過ぎ出したころでした。

しかし、ピークが過ぎたとはいえ、その後もずっと起きていました。

中学校の「生徒指導」は、校内暴力への対応案件が多数を占めていました。

ところが、わたしの実感では2010年代途中から校内暴力は少なくなりました。

かわりに、いじめや不登校の問題が増えてきて現在にいたっています。

わたしは、暴力は生徒のエネルギーが外向きに出た行為だと考えています。

しかし、最近の生徒はエネルギーが内側に向くようになり、かわっていじめや不登校としてあらわれていると考えています。

校内暴力が減った理由はほかにもあると思います。

それは、教師から生徒への暴力(体罰)が減ったからだと思われます。

以前は、教師は暴力的で、なぐったり、けったり、大声でどなったりすることは日常的に行われていました。

だから、生徒間でも暴力が横行していたのです。

考えてみれば当然のことです。

教師が学校という環境で暴力を是認している。

殴られた生徒は、自分の思い通りにいかないことがあると暴力で解決しようとする。

つまり、教師から生徒への暴力が生徒間で再生産されていたのです。

しかし、今はどんな事情があれ、教師からの体罰は認められません。

暴力や大声で相手を威圧すると、話しあうことを萎縮させます。

対等な人間関係に基づく対話が教育の中で求められるが、いまという時代です。


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