中学校では、「問題行動」の中でも生徒どうしの校内暴力は最近減りました。
わたしが教師になった1980年代は、全国で吹き荒れた校内暴力の波がピークを過ぎ出したころでした。
しかし、ピークが過ぎたとはいえ、その後もずっと起きていました。
中学校の「生徒指導」は、校内暴力への対応案件が多数を占めていました。
ところが、わたしの実感では2010年代途中から校内暴力は少なくなりました。
かわりに、いじめや不登校の問題が増えてきて現在にいたっています。
わたしは、暴力は生徒のエネルギーが外向きに出た行為だと考えています。
しかし、最近の生徒はエネルギーが内側に向くようになり、かわっていじめや不登校としてあらわれていると考えています。
校内暴力が減った理由はほかにもあると思います。
それは、教師から生徒への暴力(体罰)が減ったからだと思われます。
以前は、教師は暴力的で、なぐったり、けったり、大声でどなったりすることは日常的に行われていました。
だから、生徒間でも暴力が横行していたのです。
考えてみれば当然のことです。
教師が学校という環境で暴力を是認している。
殴られた生徒は、自分の思い通りにいかないことがあると暴力で解決しようとする。
つまり、教師から生徒への暴力が生徒間で再生産されていたのです。
しかし、今はどんな事情があれ、教師からの体罰は認められません。
暴力や大声で相手を威圧すると、話しあうことを萎縮させます。
対等な人間関係に基づく対話が教育の中で求められるが、いまという時代です。
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