箕面三中もと校長から〜教育関係者のつぶやき〜

2015年度から2018年度に大阪府の箕面三中の校長を務めました。おもに学校教育と子育てに関する情報をのせています。

国語の授業でふるさとを想う

2021年04月03日 07時59分00秒 | 教育・子育てあれこれ
    「離郷」

悲しくて涙が止まらない
止めどなく頬を伝う一筋に
ふるさとがあることを知った
もう戻れないのだろうか

悔しくて言葉を探し出せない
沈黙の隣に 
恐ろしい静けさに 震える喉に
ふるさとがあることが分かった

必ず戻ってこよう
目と鼻を拭き 押し黙り
家族でうなずくと
夕暮れが迫ってきた

私たちは これから家を
街を 森を 田園を離れていく
別れの前に 唇を噛みしめて
揺るがないふるさとを想った

(『ふたたびの春に』祥伝社黄金文庫)

福島県の詩人・和合亮一さんの詩です。

東北地震後間もない2011年5月、福島県川内村から避難した男性が、郷里を離れるときの思いを聞きとり、書いた詩だそうです。

言葉にしようとすることで、言葉にならないものがあることがわかり、その思いを周りと分かち合うことができると、和合さんは言います。

ふるさとは、その人それぞれにとって大切なものなのです。


また、人をふるさとにたとえた楽曲もあります。


「あなたがいてくれたから」

あなたがいてくれたから
どこまでも歩けたんだ
つらい時は 振り返って
その姿を確かめた
あなたがいてくれたから
あきらめず やって来られた
私にとって
あなたはずっと
そこで やさしく見守る
Hometown

(『あなたがいてくれたから』作詞 秋元康)


人はそれぞれ自分のふるさとをもっています。

それは故郷の自然かもしれないし、風景かもしれない。あるいは、自分の心がほっとできる相手かもしれない。

ふるさとを大事にしたいと思います。

こういう詩を教材に使い、国語の授業ができます。

思春期の中学生は感性がみずみずしく、研ぎ澄まされた感覚をもっています。

作者の言葉にできない思いを感じとる授業ができそうです。

どの詩を教材に据えるかで、国語教師の力量が試されます。


















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