いま、地域の民生委員・児童委員のなり手が見つかりにくく、欠員になっている地域が増えています。
民生委員は地域住民を訪問したりして、生活状況をつかみ、生活上の相談に応じて、助言や支援を行います。
また、生活困窮者を福祉関係の行政事業を紹介して、サービスにつなぎます。
高齢者の集いやサロンに出てくなくなった人には連絡をとったり、家を訪問して安否の確認も行ったりして、地道に地域で活動されています。
この役割はたいへん大きなものです。生活で困難をかかえている人のなかには、自分で役所や福祉事務所に行けなかったり、支援を受ける情報を受けとれなかったりすることもしばしばあります。
そのような家庭には、行政の福祉サービスが届かないのです。その家庭と行政の隙間を埋めるのが民生委員だといえます。
また、児童委員は児童や妊産女性の生活状況をつかみ、生活上の相談、支援・サポートにあたります。
さらに、社会福祉事業や青少年の健全育成の活動者と連携し、その事業をサポートします。児童福祉士や社会福祉主事の仕事に協力します。
学校では、様々な家庭状況・家庭背景を背負って児童生徒は学校に登校してきています。
そのなかには、遅刻・欠席が続くとか、学習に前向きになれない子どももいます。
家庭の困難な状況が学校生活に影響を与えたり、学校生活への適応等での問題などに、色濃く反映されるのです。
こんなとき、学校の教育活動の範ちゅうだけでは限界があり、支えにくい地域や家庭上の課題に対応するため、教員と民生委員・児童委員の協力・連携は子どもの健やかな成長を育むうえで、必然となるのです。
民生委員・児童委員は自治体が地域の世帯数を基準に、その地域での定数を決め、年間数万円の活動費が支給されるだけで、基本的には報酬なしのボランティア的な役割を担っています。
そしていま、各自治体では民生委員・児童委員になってくれる後任の人が見つかりにくいのです。
近年世帯の高齢化が進み、住民の課題は様々になり、民生委員・児童委員の負担感が大きくなり、なり手が見つかりにくいと考えられます。
さらには、近年の60歳定年の延長も関係していて、定年後も働くため引き受けられない人も増えているという事情もあるようです。
学校との関係では、家族の世話を学齢期の子がしているヤングケアラーの問題への対応など、学校が家庭とつながる「潤滑剤」に民生委員・児童委員がなってもらう場合もあります。
高齢化問題、困窮家庭増加の問題などは、国全体の問題です。
民生委員・児童委員の活動について自治体だけにゆだねるのでなく、待遇改善など国の財政的な措置も必要ではないでしょうか。
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