箕面三中もと校長から〜教育関係者のつぶやき〜

2015年度から2018年度に大阪府の箕面三中の校長を務めました。おもに学校教育と子育てに関する情報をのせています。

「いつか」はなくて、「今しかない」のです

2023年11月04日 07時40分00秒 | 教育・子育てあれこれ
人として生きていくには、惰性にあまり流されず、懸命に生きたいと願います。

もちろん気を抜いたり、息をつく時間も必要です。

そのメリハリは必要でしょうが、集中してものごとに取り組むときも人間には大切だと思います。

「必死に」という言葉は、「必ず死ぬ」とかきます。

だから、「今しかないですよ」というメッセージが、「必死」と背中合わせで息づいているのです。


「死」というものは、ときとして残酷です。

もっと野球選手として活躍したいという願いをもっていても、命をとります。

まだ歌いたいと思っていても、さらっていきます。

病気の人が「もっと生きたい」と願っていても、命をとります。


古くて恐縮ですが、昭和のマンガに『巨人の星』があります。

主人公のジャイアンツの星飛雄馬投手は、宮崎のキャンプで美奈さんという女性と知り合います。

美奈さんは施設の子を連れて、ジャイアンツの練習を観に来ていました。

そのとき、星投手の投げたボールがそれて、その子のところへ飛び込みました。

さいわいその子にケガはなかったのですが、星投手は謝りに行きました。

「つい、うっかりして」と弁解する言葉が発されるやいなや、美奈さんは容赦なく星投手を平手打ちにします。

その後、星飛雄馬と美奈さんは恋仲になるのですが、のちに星飛雄馬は美奈さんが悪性の骨肉腫に侵され、もう幾ばくもない命であり、一日一日を必死に生きていることを知るのでした。

毎日を必死に生きている美奈さんにとっては、「子どもがケガをしたらどうするの」。星飛雄馬の「うっかりして」が許せなかったのです。


さて、そう考えると「今しかない」と自覚するこは、人生を、生き方を豊かにする秘訣です。

「そのうちに」はないのです。

人間、思い立ったときがそれをするタイミングです。

いいかえれば、死を意識することで、生をより深く味わうことができるのでしょう。


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