国が進める「GIGAスクール構想」は、新型コロナウイルス感染防止のためのオンライン授業の要請と重なって、児童生徒一人1台の端末整備が全国的に飛躍的に進みました。
ただし、その活用については大きく進んだ地域となかなか進まない地域に分かれ、自治体によるちがいが顕著に表れました。
活用状況の自治体によるちがいは、教育委員会の舵取りが大きく影響したようです。
そもそも、行政は端末の整備を進めましたが、その活用や運用は学校に任せたところが多かったのです。
そこで、学校は試行錯誤しながら活用を手探りで進めたという事情があります。
そのとき、現場の教員の念頭にあるのは、「授業での活用」です。
学校が休校や分散登校になった場合、授業をどう保障するかが真っ先の懸案になるからです。
ICT機器への教員の慣れ不慣れがあります。また、児童生徒のICTスキルがまちまちで、取扱いに差が出ます。
そうなると、教員は「授業でICT端末を使うのは、ちょっとやめておこうか」になります。
そこで、せっかく揃えた端末を活用する一つの方法として、授業以外で使う道もとった方がいいのです。
たとえば学校からは、ほぼ毎日学校からの文書や案内文,プリントが児童生徒の家庭に向けて配られます。
また、小学校なら連絡帳の持ち帰りもあります。
それら紙で行っていたものを電子化すれば、毎日ICTを使うようになります。また紙の節約にもなります。
大阪府の箕面市の小中学校では、ICTを授業でも使いますが、学校と家庭の間のコミュニケーションを助けるwebサービスを使います。
これにより、学校からの連絡や配布物、連絡物、宿題、明日の時間割などは電子化して送ります。(来月からは原則的に,学校からのすべての紙媒体は電子化します。)
また、家庭から学校への子どもの欠席連絡や教員への連絡も原則、文書や電話以外で行います。
このように毎日、子どもが端末を使うようになれば,子どもや保護者はすぐに機器の扱いに慣れます。
こうなれば、端末を授業で使っても操作について、差が出にくくなります。
つまり、日常的にICTを使うことが、GIGAスクール構想を実現する「基礎体力」になるということです。
さらに一方で、学校としては、児童生徒に一人1台の端末を使い、スマホのSNSでやりとりするインフォーマルなコミュニケーションでなく、立場のちがう人(教員)、公的機関(学校)とフォーマルなやりとりををする経験を積ませる啓発をするべきです。
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