2014年7月2日、JR東日本の報道によって首都圏の大動脈である鉄道路線の山手線に新型車両を導入することが発表されました。本格的な量産前の量産先行車「11両編成(うち10両新造、1両改造)」は2015年3月以降落成し、走行試験を行い、2015年秋頃から山手線で営業運転を開始する予定となっています。
山手線は首都圏の鉄道網の基幹的役割を担っている大動脈路線であると同時に、日本の鉄道の「顔」的存在でもあります。2020年に開催される東京オリンピックに向けて、世界に東京の良さをアピールする上でも、新型車両の導入に踏み切ったと推測されます。
山手線に新型車両「E235系」導入…先行車は来秋運転開始
7月2日(水)15時3分配信 レスポンス
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140702-00000048-rps-bus_all
JR東日本は7月2日、新型通勤電車「E235系」の量産先行車を製作すると発表した。2015年秋頃から山手線での営業運転開始を目指す。
量産先行車は、山手線で現在運用されているE231系500番台と同じステンレス車体の11両編成(モーター付き6両・モーター無し5両)。このうち10両のみ新造し、残る1両は改造となる。最高速度は120km/h。
デザインコンセプトは「お客さま、社会とコミュニケーションする車両」。車体前面の大きな窓や表示装置で「人と人、人と社会を繋ぐ情報の窓」を表現し、さらに「居住空間を広く感じていただけるオープンなデザイン」にするという。前面と側面の行先表示装置はフルカラー化する。
客室内の座席は腰掛幅を一人当たり1cm拡大して46cmに。優先席は1両あたり3席増やすとともに視認性を向上する。また、車椅子やベビーカーなどで利用しやすいよう、各車両にフリースペースを設ける。広告媒体は液晶画面(デジタルサイネージ)化を図り、トレインネット環境も整備する。
制御装置はE231系500番台と同じVVVFインバーターだが、炭化ケイ素(SiC)の半導体素子を使用して消費電力を抑える。モーターは全閉外扇型誘導電動機を採用。空気圧縮機は潤滑や冷却で使用するコンプレッサー油を不要とした電動空気圧縮機(オイルフリーコンプレッサー)を採用し、環境負荷を軽減する。オイルフリーコンプレッサーの搭載はJR東日本では初めてとなる。照明は発光ダイオード(LED)を採用する。
このほか、車内~車外間の情報ネットワークを強化。常に機器類の状態監視を行い、故障の予兆把握と事前対処、故障発生時の迅速な復旧を実現するという。車体は耐オフセット衝突構造を採用し、衝突に強い構造にする。また、ドア部で荷物が挟まれた場合でも荷物を引きやすい改良型戸閉装置を採用する。
量産先行車は2015年3月以降の完成を予定。走行試験を経て同年秋頃から山手線での営業運転開始を予定している。
《レスポンス 草町義和》
新型通勤電車(E235系)量産先行車新造について JR東日本プレスリリース PDF
http://www.jreast.co.jp/press/2014/20140701.pdf
デザインコンセプトは、東京オリンピックに伴う観光客の増加や高齢化社会を焦点に
キーワードは「お客さま、社会とコミュニケーションする車両」となっていて、前面の大きな窓や表示装置や、居住空間を広く感じていただけるオープンなデザインが今回のE235系の新型車両の大きな特徴となっています。2020年に東京で夏季オリンピックが開催され、外国人観光客の増加に対応すること、また今後は首都圏地区でも急速に進行することになる少子高齢化社会に対応しています。
山手線は日本の鉄道の「象徴的存在」であり、今後の日本の鉄道のあるべき姿を示すような役割が期待されています。21世紀の鉄道のあるべき姿とは一体何なのか、これまでの常識に囚われないものが求められています。ただ単に人間や荷物を輸送するためだけではなく、「鉄道に乗ること自体に価値がある」ことが求められるべき姿です。日本の製造業でも既存の「モノつくり」から「価値づくり」、究極的には「消費者の感動づくり」が要求される流れとなってきますが、成熟しつつある日本の鉄道産業でも同じようなものが求められてきているのです。
ただ単に移動するだけなら自動車や自転車、バス、あるいは徒歩でもいいわけで、鉄道でなければ得られない付加価値が求められる競争の時代になってきているのですね。
乗客へのサービス機能は更に向上されている
1.中間車の優先席を増設、併せて優先席の視認性を向上
2.車いすやベビーカー等でご利用しやすいよう各車両にフリースペースを設置
3.広告媒体をデジタルサイネージ化(液晶画面化)し、より付加価値の高い情報を乗客に提供
4.一人当たり1cmの腰掛幅の拡大( 45cm→46cm)
5.前面、側面行先表示装置のフルカラー化
ドア上に設置される液晶表示装置は、首都圏で導入されている新型車両では既に標準装備になってきていますが、新型E235系では「中刷り広告」なども電車の運行情報や企業の広告などを表示するメディアの液晶画面(デジタルサイネージ)化されることになります。電車内から紙製の広告が無くなる時代になってきています。
環境性能や安全性・安定性の技術革新はもはや未知の世界なのかもしれない
1.車内・車外間の情報ネットワークを強化、常に機器類の状態監視を行い、故障の予兆把握と事前の対処、故障発生時の迅速な復旧を実現する
2.衝突に強い車両(耐オフセット衝突構造を採用)
3.荷物が挟まれた場合でも荷物を引き抜きやすい改良型戸閉装置の採用する
4.主要機器を2重系化して、故障時の復旧をスムーズ化
5.電力ロスの低減およびブレーキ時の回生エネルギーを増加させる次世代半導体素子SiCの採用
6.潤滑や冷却で使用するコンプレッサ油を不要としたオイルフリーコンプレッサ(電動空気圧縮機)を採用
7.LED照明を採用
車両のハード面の技術革新は日進月歩の世界であり、安全性能や省電力性は飛躍的に向上しています。各項目を読んでみても、専門家でないと完全に理解することは難しいですね。
新型通勤電車E235系量産先行車の特長
編成構成 11両編成(6M5T)
最高速度 120km/h
車体 ステンレス製
制御方式 VVVFインバータ制御、回生ブレーキ
ユニット構成 独立M車方式(1両に1台の制御装置)
主電動機 全閉外扇型誘導電動機(熱交換で冷却)
主制御器 フルまたはハイブリッドSiC半導体素子(VVVF)・1C4M制御Si
補助電源装置 二重系静止形インバータ装置(片系が故障しても動作可能)
コンプレッサ オイルフリーレシプロ式
列車情報管理装置 INTEROS (列車内通信速度約10倍)
戸閉装置改良型 電気式(ラック式)
照明装置 LED
情報提供装置 情報提供装置増設(デジタルサイネージ)、トレインネット
車両状態監視機能 あり
地上設備状態監視機能 あり
山手線は首都圏の鉄道網の基幹的役割を担っている大動脈路線であると同時に、日本の鉄道の「顔」的存在でもあります。2020年に開催される東京オリンピックに向けて、世界に東京の良さをアピールする上でも、新型車両の導入に踏み切ったと推測されます。
山手線に新型車両「E235系」導入…先行車は来秋運転開始
7月2日(水)15時3分配信 レスポンス
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140702-00000048-rps-bus_all
JR東日本は7月2日、新型通勤電車「E235系」の量産先行車を製作すると発表した。2015年秋頃から山手線での営業運転開始を目指す。
量産先行車は、山手線で現在運用されているE231系500番台と同じステンレス車体の11両編成(モーター付き6両・モーター無し5両)。このうち10両のみ新造し、残る1両は改造となる。最高速度は120km/h。
デザインコンセプトは「お客さま、社会とコミュニケーションする車両」。車体前面の大きな窓や表示装置で「人と人、人と社会を繋ぐ情報の窓」を表現し、さらに「居住空間を広く感じていただけるオープンなデザイン」にするという。前面と側面の行先表示装置はフルカラー化する。
客室内の座席は腰掛幅を一人当たり1cm拡大して46cmに。優先席は1両あたり3席増やすとともに視認性を向上する。また、車椅子やベビーカーなどで利用しやすいよう、各車両にフリースペースを設ける。広告媒体は液晶画面(デジタルサイネージ)化を図り、トレインネット環境も整備する。
制御装置はE231系500番台と同じVVVFインバーターだが、炭化ケイ素(SiC)の半導体素子を使用して消費電力を抑える。モーターは全閉外扇型誘導電動機を採用。空気圧縮機は潤滑や冷却で使用するコンプレッサー油を不要とした電動空気圧縮機(オイルフリーコンプレッサー)を採用し、環境負荷を軽減する。オイルフリーコンプレッサーの搭載はJR東日本では初めてとなる。照明は発光ダイオード(LED)を採用する。
このほか、車内~車外間の情報ネットワークを強化。常に機器類の状態監視を行い、故障の予兆把握と事前対処、故障発生時の迅速な復旧を実現するという。車体は耐オフセット衝突構造を採用し、衝突に強い構造にする。また、ドア部で荷物が挟まれた場合でも荷物を引きやすい改良型戸閉装置を採用する。
量産先行車は2015年3月以降の完成を予定。走行試験を経て同年秋頃から山手線での営業運転開始を予定している。
《レスポンス 草町義和》
新型通勤電車(E235系)量産先行車新造について JR東日本プレスリリース PDF
http://www.jreast.co.jp/press/2014/20140701.pdf
デザインコンセプトは、東京オリンピックに伴う観光客の増加や高齢化社会を焦点に
キーワードは「お客さま、社会とコミュニケーションする車両」となっていて、前面の大きな窓や表示装置や、居住空間を広く感じていただけるオープンなデザインが今回のE235系の新型車両の大きな特徴となっています。2020年に東京で夏季オリンピックが開催され、外国人観光客の増加に対応すること、また今後は首都圏地区でも急速に進行することになる少子高齢化社会に対応しています。
山手線は日本の鉄道の「象徴的存在」であり、今後の日本の鉄道のあるべき姿を示すような役割が期待されています。21世紀の鉄道のあるべき姿とは一体何なのか、これまでの常識に囚われないものが求められています。ただ単に人間や荷物を輸送するためだけではなく、「鉄道に乗ること自体に価値がある」ことが求められるべき姿です。日本の製造業でも既存の「モノつくり」から「価値づくり」、究極的には「消費者の感動づくり」が要求される流れとなってきますが、成熟しつつある日本の鉄道産業でも同じようなものが求められてきているのです。
ただ単に移動するだけなら自動車や自転車、バス、あるいは徒歩でもいいわけで、鉄道でなければ得られない付加価値が求められる競争の時代になってきているのですね。
乗客へのサービス機能は更に向上されている
1.中間車の優先席を増設、併せて優先席の視認性を向上
2.車いすやベビーカー等でご利用しやすいよう各車両にフリースペースを設置
3.広告媒体をデジタルサイネージ化(液晶画面化)し、より付加価値の高い情報を乗客に提供
4.一人当たり1cmの腰掛幅の拡大( 45cm→46cm)
5.前面、側面行先表示装置のフルカラー化
ドア上に設置される液晶表示装置は、首都圏で導入されている新型車両では既に標準装備になってきていますが、新型E235系では「中刷り広告」なども電車の運行情報や企業の広告などを表示するメディアの液晶画面(デジタルサイネージ)化されることになります。電車内から紙製の広告が無くなる時代になってきています。
環境性能や安全性・安定性の技術革新はもはや未知の世界なのかもしれない
1.車内・車外間の情報ネットワークを強化、常に機器類の状態監視を行い、故障の予兆把握と事前の対処、故障発生時の迅速な復旧を実現する
2.衝突に強い車両(耐オフセット衝突構造を採用)
3.荷物が挟まれた場合でも荷物を引き抜きやすい改良型戸閉装置の採用する
4.主要機器を2重系化して、故障時の復旧をスムーズ化
5.電力ロスの低減およびブレーキ時の回生エネルギーを増加させる次世代半導体素子SiCの採用
6.潤滑や冷却で使用するコンプレッサ油を不要としたオイルフリーコンプレッサ(電動空気圧縮機)を採用
7.LED照明を採用
車両のハード面の技術革新は日進月歩の世界であり、安全性能や省電力性は飛躍的に向上しています。各項目を読んでみても、専門家でないと完全に理解することは難しいですね。
新型通勤電車E235系量産先行車の特長
編成構成 11両編成(6M5T)
最高速度 120km/h
車体 ステンレス製
制御方式 VVVFインバータ制御、回生ブレーキ
ユニット構成 独立M車方式(1両に1台の制御装置)
主電動機 全閉外扇型誘導電動機(熱交換で冷却)
主制御器 フルまたはハイブリッドSiC半導体素子(VVVF)・1C4M制御Si
補助電源装置 二重系静止形インバータ装置(片系が故障しても動作可能)
コンプレッサ オイルフリーレシプロ式
列車情報管理装置 INTEROS (列車内通信速度約10倍)
戸閉装置改良型 電気式(ラック式)
照明装置 LED
情報提供装置 情報提供装置増設(デジタルサイネージ)、トレインネット
車両状態監視機能 あり
地上設備状態監視機能 あり