2016年5月12日(木):下見見学とチケット購入
5月中旬の平日、上野恩賜公園の緑地帯内を散策していきました。新緑に包まれた上野公園内を散策するのと、東京都美術館で開催されている「生誕300年記念 若冲展」を下見するためです。ゴールデンウィークが終わって数日後の平日、午前11時過ぎの時間帯に東京都美術館の敷地前にやってきたのですが、大変な混雑となっていました。チケットを購入するのに30分ほど、チケットを持って入場するのに約3時間ほどかかるのだそうです。
南東側から撮影した「東京都美術館」の敷地の全景です。普段の東京都美術館周辺は人通りも少なく閑散としているのですが、この日は大混雑となっていました。
午前11時過ぎの時点で180分待ちの状態でした。
この日は雲一つない快晴の青空の天候の上、24度以上の真夏日だったので列を作っている多くの人々は大変そうでした。並んでいるのは9割以上が高齢者でした。
東京都美術館の正門玄関前にやってきました。普段はゆったりとした雰囲気に包まれている正面玄関の周辺は、多くの人が並んで狂騒状態となっていました。
若冲展以外にも展示は行われていて、その展示場へ向かう人間は並ばずにはいることができるようになっています。
入場券を買う人の列に並び、40分待ちと言われましたが、実際には30分ほどでチケット(1600円)を購入することが出来ました。このチケットは期間内であればいつでも使うことができます。
チケットの購入も済ませてしまったので、この後は新緑が綺麗な上野公園の緑地帯内を散策しました。東京都美術館の敷地北側の新緑の木々を見上げて撮影しました。
入場券を持った人たちの行列は、東京都美術館の敷地北側の方まで続いているようでした。
少し気になったので、列がどこまで続いているのか探検してみましょう。
京成本線の「旧博物館動物園駅」の入り口跡地前にやってきました。ここが折り返し地点になっているようですね。
新緑まぶしい上野公園の緑地帯内の散策と撮影を終えて、帰ることにします。上野公園の散策記事については、後日上げていこうと思います。
JR上野駅の公園口前には「若冲展」の目立つ看板が掲げられていました。
この日の上の公園内は若冲展目的の人が8割くらいを占めていて、あとは美術展には興味のない修学旅行生や、上野動物園目的の家族連れだけでした。
2016年5月17日(火):本見学
5月17日(火)に、前もって購入しておいたチケットを持って、再び東京都美術館へ行ってきました。朝7時半に自宅を出発し、通勤ラッシュの東京地下鉄東西線に乗車して日本橋駅へ、日本橋駅で地下鉄銀座線に乗り換えて上野駅に到着です。上野駅に着いたら、雨が本降り状態でした。しかし、気温は20度前後と過ごしやす買ったので、熱中症については心配しなくてもよさそうです。8時50分の時点で東京都美術館前は長い行列ができていました。これは3時間くらいは並ぶだろうかと覚悟しましたが、実際には10時50分から企画展示室に入ることが出来ました。実質的に並んだのはちょうど2時間でした。
※ちなみに、大雨の天候だったのでこの日に撮影した写真はありません。
「生誕300年記念 若冲展」のチケットです。この企画展示会は2016年4月22日から5月24日までの約1か月間の開催と、非常に開催期間が短いです。なので、連日に渡って混雑が続くこととなりました。企画展の作者である伊藤若冲は江戸時代の中期に京都で活躍した画家です。戦前や戦後はあまり日本の美術界で注目されなかったらしいですが、ここ20年ほどの間に日本で再評価されて、人気が出てきたのだそうです。今回の企画展では、若冲の作品の中でも最大の見どころである京都・相国寺の「釈迦三尊像」の3枚と、30枚の「動植綵絵(どうしょくさいえ)」が一堂に会する展示会でもあるので、ここまで人気が出ています。
「生誕300年記念 若冲展」の公式パンフレットの表紙の全景です。表紙の中央には《動植綵絵 老松白鳳図》(宮内庁三の丸尚蔵館)の絵が描かれています。朝日に向かって雄たけびを上げる架空の生き物である真っ白な鳳凰が中央に描かれています。おそらくはクジャクをモチーフにして描いたのである鳳凰の躍動感のある姿も圧巻ですが、何よりも目を引くのは鳳凰の目つきの恐ろしさです。動物の表情を描くのがものすごく巧くて、本当に絵の中から動き出してきそうですね。
裏側の黄色表紙には、《動植綵絵 群鶏図》(宮内庁三の丸尚蔵館)です。実際に展示会で実物を見てみましたが、色遣いもさることながら、ニワトリ一羽一羽の目つきのおどろおどろしさに圧倒されてしまいました。13匹のニワトリが人だかりのように集まっていますが、一匹一匹のニワトリの表情がそれぞれ違って描かれているのが見事です。実際に1階展示室で間近に見てみましたが、実物はもっと迫力がありました。
今回の企画展の目玉の一つである「釈迦三尊像」、パンフレット内からコピー機でスキャンしてみました。背景や装飾はすばらしいのですが、人間の顔がそこらへんにいるおっさんにしか見えませんでした。若冲は動植物を描くのはうまいですが、人間を描くのは苦手なのでしょうか。三尊像の周辺の装飾を見てみると、これは中国大陸の文明の影響を受けているようです。若冲の作品の中でも集大成的な位置づけであり、若冲自身によって京都・相国寺に寄進されました。
同じくパンフレットから動植綵絵の、左から「南天雄鶏図」「牡丹小禽図」「梅花群鶏図」です。1階フロアの企画展示室に30枚すべてが飾ってあり、一枚一枚じっくりと見てきましたよ。
パンフレットより、大阪の西福寺にある重要文化財の「仙人掌群鶏図襖絵」です。
左側はアメリカ・エツコ&ジョー・プライスコレクションの「紫陽花双鶏図」、右側は京都国立博物館の「果蔬涅槃図」です。
企画展示室に入ってからは最初から最後まで、約2時間かけてじっくりと観賞することが出来ました。特に1階展示室の釈迦三尊像」の3枚と、30枚の「動植綵絵(どうしょくさいえ)」はしっかりと目に焼き付けておきました。展示室の最後のグッズコーナーで若冲関連の書籍でも購入しようとした結果、何と1時間待ちだったのであきらめました。その後、JR上野駅から山手線に乗車してJR東京駅に移動し、そこで昼食を済ませました。その後、丸の内オアゾ内の「丸善丸の内本店」の店舗内に若冲の専用コーナーが展開してあったので、そこで購入できたのでよかったです。
ゴールデンウィークの期間中は混雑するから、連休明けに行けば空いているだろうという軽い気持ちだったのですが、それが裏目に出てしまった形です。私だけではなく、他の皆さんもそう考えて連休の期間中は避けて、連休明けにどっと訪れた結果混雑が激しくなってしまったわけです。結果論ですが、連休期間中の方が空いていた形となりました。また、連休前の4月下旬にNHKスペシャルで若冲特集を放送したおかげで、多くの人が若冲展へ行こうと考えたと考えています。私もそうだったですし。
インターネットで若冲展の感想を書いてあるブログやサイトを読んでいると、やはり皆さん同じことを考えているものですね。開催期間の延長や整理券の配布などをして、少しでも混雑を緩和する方策を考えて欲しいという要望が多いです。4年ほど前に、すぐそばの上野の森美術館でツタンカーメン展が実施されましたが、開催期間は半年くらいあり、しかも大盛況なので2か月ほど延長開催されたことがあったことを覚えています。