梟の独り言

色々考える、しかし直ぐ忘れてしまう、書き留めておくには重過ぎる、徒然に思い付きを書いて置こうとはじめる

風の景色

2019-05-09 09:21:50 | 昭和の頃
京浜急行で金沢八景付近、なんとなく目を上げたら削り残った様な小高い処の木が風でなぎいていた、
(風があるな)と思いながら遠い昔のことを思い出した、
生まれた処は山の中で南に下る狭い川沿いにある県道から西側に上がった処にあった、
親父が敗戦後疎開先だった生まれ故郷に自分で建てた掘立小屋で東向きに建っていた、
部屋の中から毎日見ていた川向こうの山は背の低い雑木の山で風が吹くと漣のように葉が裏返ってゆく、
冬の木枯らしの時期は枯れ木の山の風は音である、
春先にその枯れ木の中に白い花が咲く、山桜はやはり花が咲きに開くのだ
そしてぶわっと言う感じで若い緑の葉が一斉に伸びてくる、
この頃も素晴らしいのだが木の葉が夏色になって濃い緑色になったころ初夏に吹く風が音ではなく葉裏が流れて行く風景が目に見える風だった、
山の村に住んでいたのは15年、物心ついた頃から数えると11年程度か、
しかしこの年代は生き方が濃密だった気がする、
歳をとってもし余裕が出たら山を眺めながら暮らしたい気もするが実際には無理だろうな、
都会の暮らしは便利すぎる、自分では大丈夫だと言う気持ちと無理かなと言う気持ちが錯綜する
まあ、かみさんは「絶対いや!」と言っているので現実的ではないとは思うが半分くらいをそんなところで暮らせたらいいかとも思っているのだが
現実はそれどころでは無いか