組織委員会会長を森氏から川淵三郎氏に交代するらしいが、で、早速ネガティブキャンペーンが始まったと音喜多俊氏(東京都選出参議院議員)が一言苦情を言い始めた。
あまりに早いネガティブキャンペーンで呆れたということだろうが、川淵氏の過去の発言から「森氏とほとんど変わらないだろう」という感想の人たちが批判を始めたと思えるが、今回の騒動の問題点は「女性差別」であり、また「昭和の古い男社会に対する批判」でもあるので、川淵氏が森氏の後を引き継ぐには、相応の対応が出来るかどうかを見られるのは必然である。
そこで音喜多氏は「川淵氏の過去の発言はこれから精査しますが、仮に現在の価値観から見て不適切な点が多少あったとしても、大事なのは現在の未来。年齢にとらわれず価値観をアップデートできる方であれば、重責を任せることは十分に出来るはずです。
条件反射的に新会長の人事を叩くのは、いくら何でも不寛容すぎるか、政権批判・反体制運動が目的化しているように思えます。」と述べている。
そしてツイッターでは「人権を強調されるのであればウイグルなどで女の彩度を現在進行形で行う中国・北京の冬季五輪開催に何か言うことはないのかと流石に申し上げたい」と繋げている。しかしちょっと論点を拡大しすぎて、論点が外れたので「如何なる人権問題にも可能な限り等しく声を上げるべきと表現を訂正いたします」「今、指摘・検証すべきはまず人選プロセスや構造問題だと思います。」と締めくくった。
音喜多氏は新米とはいえ「参議院議員」であるので、自分がウィグル問題を出して「他にもっと批判することがるだろう」と論点外しをしたことにも注意すべきだろう。確かに「人選プロセスや構造問題」について論じる必要がこの国には歴史的にあるのだけど、分かっているのであれば、今回の「女性差別」で怒っている人たちが「そのまんまじゃないか」と危惧したことからくる市民の反発を受け止める頭脳が必要だと思うが。
論理的・合理的思考力というのは、この国では根付きにくく、多くの人が反射的、感情的に口から言葉が出るが、その時「本音」が出て、人格もさらけ出してしまうのはよく見かける。森氏もその典型だから、謝罪にならず「居直り」になってしまった。もう少し誠実に記者の質問が厳しいのを理解していれば違ったであろうが。どこかにあった優越感が「言い返してしまった」のだ。
だからこそ今、多くの人が構造的問題を批判している「女性差別問題の行方」をしっかり見るべきだろう。
年功序列、男の村社会、女性差別などなど、そう簡単に世の中変わりはしないが、徐々に変わりつつあるから、批判が大事でしょう。
とここまで書いて進展があった。
次第に裏で不透明なやり取りが行われていて、それが今回の問題の一部として焦点が当たっていたことに気が付いて、森氏から内々に後継の会長になるように打診されていた川淵氏は一度は承諾していたが辞退した。森氏と違って空気が読める川淵氏は自分がなれば同じ目に合うと気が付いたに違いない。どうもガースーが森氏に色々話しかけたことを記者に聞かれて、歯切れの悪い受け答えをしているのが、事態を悪くすることに気が付いただろう。
新しい会長を決めるのに、すでに自民党内部から身内を特定し始めているが、それが不透明な手順だと気が付かない連中だ。
これまで組織員会の理事会でも、一部の幹部だけで物事が決まって、議事が無かったことが暴露されているから、村の男社会は今後も続くだろうが、形式として選考委員会を立ち上げると言っている。まあ周囲からの批判というのは、時代少しずつ変化させる。ほんの少しだと思う。
「論点外し」というのは皆が気にすれば、より直接的な受け答え、合理的、論理的なやり取りに変わっていくと思いたい。