河口公男の絵画:元国立西洋美術館保存修復研究員の絵画への理解はどの様なものだったか?

油彩画の修復家として、専門は北方ルネッサンス絵画、特に初期フランドル絵画を学んできた経験の集大成を試みる

多様性から

2021-02-17 01:09:06 | 絵画

今、17日午前1時10分、外は雨雑じりの強風で庭木が大きく揺れている。ボーボーと風きり音がうるさい。またこの原稿を書いても投稿中に接続せずに消えてしまうかも・・・。先週は2本消えた。馬鹿らしくなってもう投稿は止めようかと思った。

この古屋は築35年になるから、あちこち強風の影響を受ける。昔の日本式建築だから壁は泥壁で暖房は効かない。隙間風で石油ストーブも24時間稼働させても、17度くらいに落ちる。猫たちが寒そうに団子になって過ごしている。私が声をかけても知らんぷりだ。しかし中にはこの寒い屋外に出歩くモノもいる。家の中で集団化するのが嫌いな子だ。

自分の意思で好きなように生きようとする猫は、オスなら食い物より自分のテリトリーが大事だから、外で過ごす時間は多い。1月3日の大寒波の時、外気は零下5度であったにも限らず出て行って帰らなかったものがいる。その子はそのまま行方不明となった。玉つきのオスでテリトリーが大事だったのだろう。去るもの追わず。

個人主義で多様性のはっきりしている猫は好きだ。この国の村社会の影響は受けない。労働はしないから、金を稼ぐために学校に行くこともないし、自分に嘘をついて生きることもない。

人間には真似のできない猫の生き方だが、北欧では既に資本主義から新しい社会主義を模索している国がある。中国やロシアのような共産党あるいは強権主義者による支配ではない社会主義だ。

北欧では税金が高いが教育費や医療などの基本的な保障を無料で行い、平等社会を形成している。それにさらに最低生活のできる所得を保障するベーシックインカムという制度を実験し始めた。大人の国民一人に与えられる最低生活費は7万円で、裕福な感じはない。例えば勉強だけしていたい身分ならこれで可能だが、もっと欲しければこれに足せるだけの労働をしなければ実現しない。

まだ実験中なのは、この制度の現実的問題を見出すために行っているのだ。7万円でどれほどの者が「怠け者」になるのか見てみたいものだ。働きたくない者、働けない者も同じ7万円でどういう人生になるのだろうか?個人が持つ主体性を相互扶助の精神で試しているのだ。

そう現実的問題は国家予算として各自に7万円を支給できる原資は何処に見つけるのか?気になるだろう。企業や金持ちはそのための税金をかけられても怒らない寛容さが必要だ。しかしIKEAはオランダに本社を移したと聞いたが・・・。

日本では最近、竹中平蔵がこのベーシックインカムを日本で実現するための原資は「健康保険や生活保護などの保障を無くせば可能」と言っている。さすが日本国民が積み上げた数千兆円の日本郵政をアメリカの圧力で小泉純一郎と一緒に民営化して亡きモノにした戦犯らしい発想だ。ベーシックインカムの原点を理解していないようだ。

相互扶助が身近な国になったとき、この国の国民はどんなだろう?