対談の表題となっている「中国を『テロ国家』に~」から話がずれていますが、七三一部隊は彼の国にはなかった役割の部隊ですから、発想が追いつく筈もなく、細菌兵器部隊だと断定されています。だから、「南京大虐殺」と同じく一方的な宣伝で、日本が全て悪いということになってますね、世間では。
敢えて転載します。
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高山正之 ジャーナリスト
小川榮太郎 文芸評論家
小川榮太郎 文芸評論家
小川
国内においても、コロナ禍を機に非合理であいまいな統治機構が浮き彫りになりました。省庁間の縦割り行政だけでなく、省庁内の縦割りも深刻であることがわかった。例えば厚生労働省内では、マスクを扱う課と防護服を管理する課が違う。納入するメーカーが同じなんだから、一つにまとめないと話が進まない。
これだけマスク不足が叫ばれているのに、医療器具がどの病院にどれだけあるかという情報すら共有されてない。厚労省がリアルアイムで表示するマップをつくる必要があります。医師会に聞きましたが、各病院が以心伝心でやり取りをしていると。どこの後進国ですか(笑)。
高山
戦前、防疫は内務省が担当していた。内務省には警保局(現在の警察庁)があって、強制力をともなう措置がとれた。
一月末、日本政府が武漢にチャーター機を飛ばして邦人を帰国させた。あのとき、検査を拒否した連中がいたが、内務省だったら許さなかっただろう。しかも内務省は、国土局(同国土交通省)と衛生局(同厚生労働省)を有していた。チャーター機の手配や検疫、都市封鎖から医療機関への対応まで、すべて省内で完結していたはずだ。
朝鮮総督府にも内務省と同じ機構があって、コレラやペストが流行ると、患者を強制的に隔離できた。感染を申告しない者もいたけど、村々に五人組みたいな防疫組合をつくらせて、「アイツは感染者だ」と密告した者にカネを払ったりもしていた。結果、チフスやペストを二~三カ月で収束させることができた。
小川
大至急、強力な防疫システムをつくる必要があります。早ければ秋にも南半球から変異・凶悪化したウィルスが襲来するかもしれない。今後、意図的にウィルスをバラ撒く国が出てくる可能性もゼロじゃない。そんなとき、しっかりとした防疫システムを持たないようでは国民の社会生活は崩壊する。その上世界から爪弾きにされます。
高山
でも、「防疫」と聞くと七三一部隊を、「内務省」と聞くと特高警察や治安維持法をイメージする人たちが多い。
シナ事変では、軍内でコレラが流行っていた。そんななか、七三一部隊は防疫と清潔な飲料水の研究をしていた。そういう防疫給水部隊は各師団が持っていた。南京攻略のあと、日本軍は揚子江を遡って逃げる国民政府軍を追った。九江を経て武漢に向かおうとしたら敵は揚子江の堤防を切り、九江の街の井戸には毒やコレラ菌を撒いていった。で、防疫給水部隊が井戸水を浄化し、他の部隊は堤防の決壊箇所を直し、九江の市民には糧食を分けた。
そういう話はGHQや朝日新聞が一切フタをして、語るのは七三一人体実験とかのフェイクニュースばかりだ。この七三一部隊のウソと内務省の解体で、戦後日本は「防疫とは何か」も忘れてしまった。コロナの検疫体制が後手後手に回ったのも、そういうGHQの悪だくみが遠因になっていると思う。
小川
一種のアレルギーですね。
高山
過去、内務省の復活案が浮上するたび、必ず朝日や野党が治安維持法を持ち出して騒いできた。もう、パターン化しちゃってる。
Will9月号別冊 「習近平中国の暴走が止まらない!」
所載対談「中国を「テロ国家」に指定しろ」より
所載対談「中国を「テロ国家」に指定しろ」より
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田舎に戻っているとき、ローカルニュースで出雲の「割り子蕎麦」についての話題を見ました。(普通、三段重ねで一人前)
「割り子(わりご)」というのは蕎麦を盛ってある丸い器のことなんだけど、本来は四角な器だったんだそうです。それを使用後、洗おうとすると、どうしても四隅がきれいに洗えない。それで、出雲警察の指導で丸い器に改めたんだとか。「何で警察が?」と思ったのですが、ニュースではただ、「当時は衛生面も警察の仕事だった」としか。
四角の割盒(わりごう)の方が安価だし、保管もし易かったからそれが一般的だったんですが、「まずは衛生的であること」、と割高ではあるけれども「お上からのお達し」だから全店右へ倣え。以来、出雲の割り子蕎麦といえば丸い器が当たり前になっています。
考えてみれば、警察というのは犯罪者を捕まえるのだけが目的、というわけではありません。「警邏」や「視察」をすることで、犯罪「等」から国民の生命を守るのが仕事です。「国民の命を守る」ということなら、「疫病から国民を守る」のも確かに仕事。
行政の原初形態に見えるけれど、少なくとも「厚生労働省内では、マスクを扱う課と防護服を管理する課が違う」なんていうのよりは、よっぽど理に適ってますよ。