松山町酒米研究会は,平成7年に醸造の里づくりを推進するため,松山地区の生産者と酒造会社の(株)一ノ蔵が共同で設立した組織です。現在の会員は31名で,蔵の華やひとめぼれなどの品種を用い,低農薬・低タンパク質の醸造用米を約74ha契約栽培しています。
去る12月9日,平成23年度の作柄検討会が開催され,小原会長は「東日本大震災で稲作のスタートが遅れ,作柄が心配されたが,天候に恵まれてよかった。」と挨拶されました。
次に普及センターから,平成23年の稲作生育概況については,「管内では平年より胴割米や乳白米の発生が多い」との声があり,出穂前後の葉色の低下,出穂後の高温と少雨の影響が大きかったと考えられる,と説明しました。
(株)一ノ蔵からは,醸造原料の玄米品質について,「前年より胴割米等の発生で整粒歩合が若干低下したが,千粒重は大きく,タンパク質は少なめで,原料の数量確保はできた。」との分析報告がありました。
会員からは,「大半が2等以下の品種もあり,高温登熟の影響もあるのではないか。より品質が向上する栽培方法を試験したい。」,(株)一ノ蔵からは「生産者との契約栽培は会社としても安心きる。今後も環境への関心や危険分散を意識して取り組んでいく。」という意見が出されました。
研究会では,次年度もほぼ同じ70ha強の契約栽培を予定しており,普及センターでは,栽培技術を中心に安定的な米生産を支援していきます。
<問い合わせ先>
美里農業改良普及センター 先進技術班
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