山元町の岩佐隆彦さんは,東日本大震災時の津波の影響でいちごを栽培していたハウスが被災し,いちご生産が継続できなくなりました。しかし,何とか平成24年産いちごの生産を再開するために,空いているハウスを探し,大和町にあったハウス5棟(約8a)を借り受け,いちご栽培を開始しました。
いちご栽培開始に当たっては,ハウスのビニールの張り替え,高設ベンチの設置,用水の確保,いちご定植苗の確保など,かなりの準備が必要でした。家族や地元の友人の協力を得て作業を行い,普及センターでは,培地の土壌分析,用水の水質改善対策,病害防除などの支援を行い,9月半ばには定植することができました。
冬期間に入ると,天候が山元町とは異なり,気温は低く,冬型の気圧配置が強まると西から雪雲が流れてきて,日射量はなかなか確保できない状態です。しかし,12月半ばにはいちごが色づき始めました。1月からは本格的に収穫,出荷が始まる予定です。
地元山元町での復興計画が進んでおり,いちご生産再開準備にも忙しい毎日ですが,大和町でのいちご生産は次年度も続ける意向です。
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