水田において大豆や園芸作物への作付転換を図る際に課題となるのは排水対策です。栗原市金成津久毛地区は,これまで水稲以外の作付けが難しい地域でしたが,ほ場整備事業完了後を見据え,排水対策を工夫しながら大豆,ばれいしょに取組んでいます。
令和4年3月9日に農研機構農村工学研究部門の北川巌氏を講師に「水田における高収益作物導入にかかる排水対策研修会」を開催しました。今回の内容は,心土破砕による排水対策を行うカットブレーカーを用いて,品質向上,収量アップを図るものです。研修会には,津久毛地区担い手,法人,関係機関等10名が参加しました。
講義では,カットブレーカーの特長や土壌のタイプ毎の排水対策(カットドレーン,サブソイラー等),全国各地の代表的な事例のほか,北海道十勝地方の地域で排水改良に取組み地域全体の小麦の収量,品質がアップした事例等についてデータに基づいた説明をいただきました。その後,大豆ほ場でデモ走行を行いました。参加者の中には導入に興味を示す声もありましたが,価格,使用頻度を考えると,これらの機械は農協や任意組織等で購入し,地域全体で「機械」と「技術」を使いまわすことが地域農業の底上げになると助言がありました。
午後からは,ばれいしょ作付け予定のほ場でカットブレーカーを施工しました。これまで湿害等で収量が上がらず栽培に苦労したが収量アップが期待できると生産者の意欲向上にもつながっています。
普及センターでは,大豆,ばれいしょの施工ほ場について今後,生育調査等により効果を確認しながら引き続きフォローアップを行っていきます。
宮城県栗原農業改良普及センター地域農業班 TEL:0228-22-9437 FAX:0228-22-6144