石巻市では平成26年からオリーブの栽培を行っており,現在4haあまりの栽培面積となっています。今年で栽培開始から7年目となりますが,幼木期の初期収量をあげるため当初3m間隔で植栽(※計画密植)していた樹体もまもなく隣の樹と重なるほどに大きく生長してきています。
このため,新たに園地を造成し,1本おきに移植することとしましたが,大きく生長した樹体を移植するためには地上部の切り詰めや根廻などを行う必要があります。そこで令和4年1月25日に移植に向けた指導会が開催されました。
講師には(株)アライオリーブの荒井雅信社長をお迎えし,移植樹のせん定方法や根廻など実技を交えながら実習を行いました。通常のせん定とは異なり,移植樹は地上部を大きく切り詰めるため,移植後の樹冠容積回復にはやや年数を要しますが,移植樹が健全に生育するよう思い切ったせん定を行いました。
普及センターではこれまで造成地の土壌診断などの支援をおこなっていますが,今回の移植樹が健全に生育するよう技術支援を行っていきます。
※計画密植:果樹を栽培する場合,最初の数年は樹体が小さいので,本来必要な間隔(オリーブでは6m×6m)よりも狭い間隔で植栽し,樹の密度を高くして面積あたりの収量を上げるという考え方。やがて樹種ごとの適性間隔にするため,間伐や移植を行う必要があるが,仮に間伐を行ったとしてもその時点ですでに苗木代と育成費以上の収益をあげているため,このような植栽を行うことがある。
<連絡先>
宮城県石巻農業改良普及センター 先進技術第二班
TEL:0225-95-1435 FAX:0225-95-2999