令和7年1月9日に石巻合同庁舎で「気象変動に対応する施設園芸セミナー」を開催し、生産者や関係機関など約60人の参加がありました。これは近年、高温が施設園芸の作物生産に与えている悪影響を緩和し、また施設内の気流制御により冬の暖房コストを節減することを目的に開催したものです。
最初に千葉大学大学院の中野明正教授から「施設園芸における高温対策の展開」と題して高温での花飛びや落果が作物の生産力を著しく損ない、減収の原因となるため、それらを緩和する技術を紹介していただきました。「遮光」「屋根散水」「ヒートポンプの活用」など広く使われている技術のほか、「酸素剤の活用」や「初期かん水の効用」などの取組についても紹介されました。また、単一技術に頼らず、複数技術を組み合わせることで効果が得られるとのご教示もいただきました。
続いて、宮城大学の伊吹竜太講師からは「換気機器を用いた温室内攪拌と気流制御について」と題して換気の目的、施設内の空気攪拌の意義や方法、適切なダクト送風について説明があったほか、ダクト送風の風圧調整の必要性や施設内での温度ムラ、CO2ムラを低減するダクト穴の配置などをご教示いただきました。
夏の高温や冬の燃油高騰に対応した対策について参加者は熱心に講演内容をメモしたり、講師に質問するなど、活気にあふれたセミナーとなりました。
普及センターでは今後も関係機関や生産者の皆様と協力し、生産現場における生産性の向上やコスト低減につながる有効な取組を支援していきます。
<連絡先> 宮城県石巻農業改良普及センター先進技術第二班
TEL 0225-95-1435 FAX 0225-95-2999