宇宙のはなしと、ときどきツーリング

モバライダー mobarider

探査機“ケプラー” 次のお仕事

2013年09月12日 | 宇宙 space
故障により本来のミッションが続行不能になった、NASAの系外惑星探査衛星“ケプラー”。

いまの状態でも可能なミッションを検討していたのですが、
どうやら白色矮星を対象とした、系外惑星探しに決まりそうなんですねー

“ケプラー”には、衛星の向きを調整する4つのリアクションホイールがあり、
そのうちの2つが故障したため、系外惑星探査を続けることが不可能になっていました。

なので、残り2つのリアクションホイールを使って行えるミッションが検討されていたんですねー
そして今回提案されたのが、白色矮星という新たな対象での惑星探しです。

白色矮星での惑星探しは、これまで本格的に行われていないので、
もし見つかれば初の発見となるんですねー

“ケプラー”は、恒星の光が手前を通過する惑星にさえぎられて、
わずかに暗くなる現象(光のゆらぎ)から惑星の存在を検出します。(トランジット法)





恒星表面の
惑星通過(トランジット)観測から
惑星を検出する




これまでの観測対象である主系列星(成人段階の恒星)の場合には、
明るさの変化がひじょうにわずかなので、観測には長時間にわたる正確な姿勢制御が必要になっていました。

でも、恒星の燃え残りである白色矮星は、
サイズがはるかに小さいので、惑星通過による見かけの明るさが大きく減少し、
見つけやすくなるとか… それほど正確な姿勢制御が必要ないんですねー

提案では、1万個の白色矮星が対象になっていて、
200日の観測期間で、最大100個のハビタブルゾーンにある系外惑星候補や、
短周期の食連星の発見を目指すそうです。

“ハビタブルゾーン”とは、中心星(恒星)からの距離が液体の水の存在にちょうどよい範囲のことです。
ここに、ちょうどいいサイズの岩石惑星が見つかれば、ひょっとすると生命の発見があるかもしれませんよ。