宇宙のはなしと、ときどきツーリング

モバライダー mobarider

天の川銀河中心の双極星雲、銀河面に沿って広がる謎

2013年09月16日 | 宇宙 space
天の川銀河の中心部にある線対称タイプの惑星状星雲が、そろって銀河面と沿った方向に広がっていることが分かりました。






双極星雲 :
アレイ星雲M27(左上)
バグ星雲NGC 6302(右上)
NGC 5189(左下)
フレミング1(右下)




惑星状星雲は、太陽と同程度の重さの恒星が一生の最期を迎え、
その外層のガスをゆっくり放出してできたものです。

リング状のものや、蝶のような形をしたものなど、
さまざまな色・形の美しい姿は天体写真でもおなじみのものなんですが、
そこに、ある不思議な法則が見つかったんですねー

天の川銀河の中心部にある惑星状星雲130個を調査したところ、
そのうち44個の双極星雲(蝶や砂時計のように線対称の形状をした星雲)は、
多くが銀河面に沿った方向に長く広がっていることが分かりました。

他の形状では、こうした一致は見られず…
惑星状星雲が作られる過程を考えると、これは意外な結果だったんですねー

双極星雲は、2つの恒星がお互いを回り合う、連星系から生まれると考えられています。
連星の公転面と垂直の双方向に、質量が噴き出し広がっていくことで、対象の形状になります。

星間雲から生まれる連星は、ほぼ銀河面に沿って公転するはずなので、
その公転面と垂直に広がるはずの双極星雲が、実際にはその多くが銀河面に沿っているというのは不思議なことなんですねー

銀河中心部には、生まれて100億年前後の古い星が多く、
その領域の惑星状星雲の元となる恒星も、
太陽周辺の惑星状星雲を生んだ星々よりも、ずっと前にできたものになります。

今回の観測結果については、銀河中心部での昔の磁場がひじょうに強かったので、
連星系の回転方向に影響を与え、それが双極星雲の向きにも関連している可能性があります。

今後、さらに多くの星雲を高精度に観測することで、何か分かってくるのかもしれません。

もう一つの地球が見つかる日

2013年09月16日 | book gadget goods etc

もう一つの地球 = 系外惑星の探査について書かれている本。

地球から遠く離れた恒星を回る惑星… なんか興味ありますよねー

惑星探査が進むなか、いろんな発見があるんですが、
ほんの20年前までは、確実に存在する惑星系は太陽系だけだったんですねー

それは遠く離れた惑星は、小さく暗いので見つけるのが難しいから…

でも、ドップラーシフト法やトランジット法が考え出されて状況は変わることになり、
今では直接観測も可能だったりします。

発見はホットジュピターから、岩石惑星のスーパーアースへ

そして、それを実現する上で頼りになる存在が、
リアクションホイールの故障で新たなミッションが検討されている、
NASAの系外惑星探査衛星“ケプラー”です。

“ケプラー”の観測データによる発見は、本当に多いんですよねー
そのデータの中には、もう一つの地球を見つける手がかりがあるのかもしれません。

恒星からの距離が、液体の水が存在するのにちょうどよい範囲を“ハビタブルゾーン”といいます。
そこに、ちょうどいいサイズの岩石惑星があれば、生命が存在しているのかもしれませんね。