梅雨の晴れ間をついて、まだ県外からの観光客の少なそうな所へ行こう。
タダ券に惹かれて、白馬の北尾根に行ったのは去年の10月のこと。ただこの時は白馬連山に掛かった雲は切れてくれず、またもう秋で高山植物の花はあまり見えなかった。
数日前、地方紙で五竜スキー場の上部にある高山植物園に青いケシの花が咲き始めたというニュースがあった。で、2日続きのお遊びだけれど出掛けることにした。
昨日は自転車で3時間掛けて1000m登ったが、今日は2000円出して、たったの数分もあれば五竜のテレキャビンで一挙にあの遠見尾根の上に。

五竜遠見スキー場のゲレンデをひとっ飛び。

ロープウェイ駅から出ればこの風景ですよ。もうね、360度山、山、山。空も青く、雲も少ない。

左から五竜岳(ここから延びた五竜遠見尾根の末端がこのスキー場)、真中の大黒岳、そして、八方尾根を擁する唐松岳。

前面の八方尾根に遮られて、山の頭しか見えないが、三角錐が美しい白馬槍、杓子岳、そして雲の中だけれど、白馬岳と続く。花を見る前に、ベンチに座り込んで、山のパノラマを堪能する。

植物園の入口で迎えてくれたのは、少し早く開花させた青いケシの花。

数十本のみが咲いているだけだが、半端じゃない存在感。

まだ僅か残る雪の下ではなく、脇に咲いているヒマラヤ雪の下の一種。

ヨーロッパの高山植物の代表格、まだ咲きかけのアルペンローゼ。

こちらは日本の山ならどこにでもあるキンポウゲ(シナノキンバイ)。

ロシアに取られてしまった得撫島からはウルップ草。

まだ、チョボチョボとしか咲いていないが、もうしばらくしたら大群落になるらしい、コマクサ。

ミヤマオダマキ

もう盛りを過ぎてしまった、クロユリ。

撮った花はまだまだ沢山あるのだが、、、、もっと見たい花も沢山あるのだが、、、、、
そろそろお昼なので、軽くお腹を膨らませ、午後の行動に備えましょう。ベンチの下で、持ってきたアルコールストープを使ってミニラーメンとコーヒーを淹れる。

食後休みをたっぷり取り、せっかくここまで来たのだから、軽くトレッキングもしましょう。
湿地帯には今頃ようやく水芭蕉が咲き始めている。

地蔵沼の周りにはレンゲツツジ。

さらに登って地蔵ケルンに到達。脇には遭難者の慰霊碑が沢山ある。

お賽銭を上げて、1676mを最高点に下りましょう。降りていく途中にエーデルワイスに似たウスユキソウ。

ダケカンバの大木で一休みして、

再び高山植物園の上部に出てきたら、スキー場の職員が高山植物の苗の植え替えをやっている。

まだ花の時期が始まったばかりのこの時期に、こんなに沢山の高山植物がみられるのは、開花時期を調整し育てた苗を、適宜植え替えているせい。これは都会の公園のガーデンディスプレーと同じ。ゴンドラの往復料金2000円が庭園への入場料の一部を占めると考えれば、当たり前か?
テレキャビン山頂駅に戻り、食堂でベーグルサンドを頂く。窓から外を眺めていたら、みるみる曇ってきたと思ったら、雨もぱらつく山の天気。我々が遊んでいた時間帯だけ、くっきりと晴れ上がってくれたみたいで、大変ラッキーだった。

人気の高山植物園、まだ開場して間もなくで、県外からの観光客も少ない平日、人混みなしの、高原ハイキングを楽しめた一日だった。歩いたのは、こんなコース、五竜遠見スキー場の最上部の植物園とその周囲。ダブルクリックで地図が開く。
