信州の春は関東とは違って、1月下旬から3月にじわじわと来るのではなく4月上旬に一気に来る。梅も桜も桃もほぼ一緒に咲くのだ。私的には長く楽しめる関東型が良いのだが、こればかりは文句を言っても始まらない。塩尻より少し春の早いここ、南木曾に今日は向かった。
木曽川に掛かる桃介橋。福沢桃介が読書(よみかき)発電所の水車発電機を運ぶために作った木造、鋼製ワイヤー吊橋だ。
桃介は自分の名前に付いた桃と言う字が好きだったようで、桃の木をわざわざ外国から持ち帰ったとのこと。後世の人も、彼の功績を讃え、花桃を植えたので、色とりどりの桃が咲き誇っている。
木曽川の右岸に植えられた花桃。今は水の色が透き通っているが、雨が降ればこれが一変、濁流となって、谷を削り、蛇になり、八岐大蛇になり、蛇抜け(土石流)が起きるので、この辺りの木曽川の河床には数mの大岩が転がっている。
不要不急の外出をしていると言う負い目と、一方で個人商店を応援せねばという義務感?から人通りのほとんどない商店街のパン屋さんで、美味しそうな自家製サンドイッチを買い、天白公園のベンチでいただく。
今日はこの桜とレンゲツツジの競演を見に来たのだ。
それにしても人が居ない。これでは濃厚接触はおろか、希薄接触もするすべがない。
レンゲツツジの自生林に入り対岸を眺めれば、南木曾の町の向こうに木曽駒ヶ岳の白き峰々。
天白公園を一周した後、桃介橋の方向に戻り、次の目的地へ。