経営コンサルタント日野眞明のmoreな「ひとりごと」

「商売繁盛」「ビジネス(創業、起業、経営革新)」など更新中!(2022年5月引越)

鈴木敏文氏の対談2

2007-12-18 18:47:56 | ひとりごと
宮田秀明(東京大学大学院教授)と
鈴木敏文(セブン&アイホールディングス代表取締役会長)

【科学的経営とプロジェクト・マネジメント力で新しい価値の創造に挑戦する】

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・「プロジェクトとは新しい価値を創造する仕事」

宮田:
新商品の開発、販売促進、コスト削減運動、1台の新車を売ることもプロジェクト。
仕事はすべてルーチンとプロジェクトに区別できます。

鈴木:
あらゆる仕事をルーチンと考えるのではなくプロジェクトととらえて取り組むことが必要。

宮田:
理念(ビジョン)→基本概念(コンセプト)→基本構造(モデル)→設計・問題解決→実証(テスト)→実行(製造・販売)と言うプロセスをたどるわけですが、日本の場合、何を作るかと言うビジョンが貧弱でコンセプトやモデルも借り物でよそがやっているからうちもやろうというモノマネの仕事が多いように思います。
これでは新しい経営戦略が登場したり経営革新が起こったりするとすぐ敗退してしまいます。

鈴木:
セブンイレブンは、創業当初からモノマネせずに自分たちでゼロから作り上げてきました。
またブレイクスルー思考で未来の視点からジャッジして、現在何をしたら将来思い通りの成果を得られるのかを考えるようにと言い続けています。


・「ITを軸にした科学的経営が成功の条件」

宮田:
成功する経営は必ず科学的論理性を尊重していると考えています。そうした視点から見て成功しているのがセブンイレブンだと思います。

鈴木:
セブンイレブンを創業したとき、他に手本となるものは何もありませんでした。品揃え、単品管理、物流、商品開発などあらゆるものすべてを自分たちで作り上げてきました。
生産性を追及し、業界の常識を破りながらの挑戦でした。


・「過去のデータではなく先行情報で仮説を立てる」

・「お客様の立場で考え心を動かすしかけが必要」

鈴木:
流通業の場合は人の心理をいかにとらえるかが重要ですね。つねにお客様の立場に立って考え、お客様が今何を求めているかを追及し、品揃え、売場づくり、サービスを考えていかなければなりません。

宮田:
最近、米国ではサービスサイエンス、サービスを科学するということが盛んに言われています。
サービスの第一段階というのがプッシュ型で、これを買いなさいと勧めるタイプですね。
次が適合型で、お客様のニーズに適合した商品を開発するというタイプ。
そして第三段階が、コ・クリエイティブ方で、売り手と買い手が双方向でやり取りしながら、一緒に新しい商品やビジネスを生み出していくと言うスタイルです。

・「毎日、今日の結果を検討して明日何を行うかを判断する」

宮田:重要なのは時間軸ですね。

鈴木:
立案して目標、計画を必ず達成するために、誰が、いつまでに、何を行うのかを明確にし、それに対して今どうなっているのかを毎日、毎週きちんと確認していく。

・「いつまでに、何を実行するかを明確にすることが成功のカギ」

宮田:
競争に打ち勝つためには、常に緊張感を持って、毎日、毎日判断し、翌日何をどうするかを決めるようにしなければなりません。
これでいいと思ったら、新しい創造はできません。

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難しいと感じた言葉は意識することはありません。
「日々やらなければならないこと=お客様に立場にたって=お客様のお役に立つこと」
がわかればいいのです。

そして、それを実践するのです。
毎日、毎週、毎月、毎年。
そこから「新しい価値の創造」が生まれます。
まさに“商売繁盛”です。