普通のおっさんの溜め息

戦前派から若い世代の人たちへの申し送りです。政治、社会、教育など批判だけでなく、「前向きの提案」も聞いて下さい。

元中学校教師への手紙(4)[私が見てきた教育荒廃の歴史]

2006-06-04 18:11:46 | 教育問題
<<権利しか教えない教師用の指導書>>

昭和50年ころでしたか、本屋でたまたま中学の社会の教師用の指導書を見ていると、「憲法には権利の記述はあるが、義務の記述は全くないのである」と書いてありました。

私は驚いて本屋の人には申し訳なかつたのですが、全ページを繰って見ましたが、義務の文字はそのページ以外全く見当たらなかったのです。

私は二度驚きまた心配になって、生徒用の所謂、虎の巻を見て、国民の義務のことも書いてあったので少し安心しました。

そして再度指導書を見て、その巻末にその頃教科書裁判で勇名を馳せた大学教授の推薦の言葉を発見し、なるほどと思いました。

後で憲法の権利と義務の項目を見ましたが、義務の項目には権利の濫用をしないことと、権利を社会のために活用することしか書いなく、義務については権利ほど明確には記されていませんでした。

然し、虎の巻にもあるように他人の権利を侵さないこと、権利に伴う義務や責任など、教育の場で教えるのは当然過ぎると思いますが、学校の先生のなかにはこの様な指導書の考えを鵜呑みにして権利ばかり教えていた人もいたのでしょうか。

そして、そのような先生から権利についてだけけ習って、それ以外にも大切なことがある事を学校からも親からも習わぬまま、大きくなり、結婚して、子供を生み、その自分の子の非行を棚に上げて、学校の責任ばかり問う親になったかも知れません。

そしてその子がまた親になり、子供を生んでいき、次第に社会が劣化して行くのでしょう。 

[権利あり責任ないと言う教師]

Unknown (pokoo-penn) 様、コメント有り難うございました。

(May 17と毎週日曜日投稿参照)