<人的資源しかない日本>
日本は良く言われるように、人的資源しかない国です。
そして、その唯一の資源を使って、厳しい市場経済の中を生き抜き、しかも、その大きな恩恵に預かってきている国の一つです。
そして唯一の人的資源が減っているのが少子化に関する大きな問題の一つであることは誰でも知っていることです。
その解決策として他国からの作業者や技術者の導入が言われており、一部の会社では既に実施されているようです。
日本で従来から認めていた、技術者などのや特殊の才能を持つ技能者の導入は、今までも殆ど問題なかったようですが、作業者の全面的な導入は考える必要がある気がします。
その例として西欧や米国では作業者の流入に伴う問題も多く出ているようですが、報道で見る限り国を揺るがす程の大きな問題にされてないようです。
<私が経験したカルチャーショック>
それについて私の経験した小さなカルチャーショックを聞いて下さい。
私の始めての海外勤務でブラジルに行った時驚いたのは、海岸でネイティプのアメリカ・インディアンや、黒人、西洋人等さまざまな顔色や髪の色をしている子供たちが、日光浴をしているの夫婦の周りで遊んでいたことでした。
現地の友人にその事を話すと、米国では人種差別がないとか、平等、自由とか言っているが、本当の意味の人種間の交流や、平等といった点ではブラジルのほうが遥かに進んでいると言って自慢していました。
そのブラジルで、私たちのグループがホーム・パーティーを計画し、前のアパートの人達も招待しました。
実はそこの娘がかってその州のミスに選ばれた美人で、その人が来てくれるのを密かに期待していました。
然しその家族がよこしてくれたのは、その家の女中だけでした。
後で現地の人に聞いて判ったのですが、私たちが招待した人の中に、私たちを世話してくれていた女中や、会社お抱えの運転手などがいたので、そんなパーティーに家族が行くなど沽券に関わると思ったのでないかと言う事です。
こんな事など、会社などの上下関係や、職業抜きで、知った人を皆同じに扱いにするのが習慣の日本人には考えられないことです。現地の人が自慢していたブラジルでも階級社会があったのです。
数カ国の海外勤務で判った事は、その国の人達やその国を構成する人種によって、非常に優秀な人達もいるし、私たちが見習うべき良い所も多くある一方、市場経済に就いて行けない人も中にいるのは現実問題としては認めざるを得ないのも事実です。
このことについては、日本政府は勿論言わないし、メディアでも人種差別と取られかねないことを言う人はありません。
然し、低い収入から何時までたっても抜け出せない、単純労働者が増え、能力の高い人がさらに高収入を得ると言う状態が進めば、私が経験したように収入の差による階級が生まれることになります。
話で聞く米国のスラム街、ガードマンが常駐する壁に囲まれ金持ちのコミュニティー。私がブラジルで見た、設備の整った街の高層マンションの裏の給水さへ不便な貧民街。マレーシャのように、人種問題解決のために、一部の人達に特別待遇をするなど、日本人として割り切って行けるでしょうか。
<労働力導入と階級社会の形成>
今、格差社会が問題になったいますが、それが進んで階級社会になるなど考えられますか。それに西欧のように人種問題が絡んでくれば、そんな事には不慣れな日本政府も右往左往することでしょう。
勿論、各国ともそれぞれの事情や、違って価値観もあり、それを尊重しなければなりませんが、日本も国内事情や価値観を基準にして判断する必要があると思います。
一番困った問題は、人種間による市場経済への適応性の差の問題が、報道されないので、(私も仕方ない事だと思っていますが)、特に結婚適齢期の若い人達が、イージーゴーイングな労働力の導入の議論を聞いて、少子化が進んでも何とかなると思いがちになることだと思います。
[人的資源しかない国の子供減る]
(参照June6,13投稿)