普通のおっさんの溜め息

戦前派から若い世代の人たちへの申し送りです。政治、社会、教育など批判だけでなく、「前向きの提案」も聞いて下さい。

官庁やマンションのエレベーターのメンテナンスについて

2006-06-20 09:35:10 | 教育問題

今回のシンドラー社のエレベーターの事故について、50年にわたり大工場でメンテナンスに関わり、保全体制の弱い開発途上国3ケ国の保全の指導、協力した経験から、官庁、マンションのオーナーや管理組合の関係者に気がついたことを書いてみました。

内容やその目的の細かな説明は、省いておりますが、今回のことに関する報道や、関係先内部の対応を見れば判ると思います。

<<マンションノ入居予定者へ>>

マンションノ入居予定者に是非知っておいて貰いたい事

1.エレベーターのメンテナンスは自動車のように、定期点検は欠かせぬこと。しかも 設備にかかる荷重は自動車より遥かに大きい事。

2.自動車事故は基本的には自己責任による事が多いが、エレベーターだけは利用者ではどうにもならぬことが殆どなこと。

耐震偽装の問題で大変でしょうが、入居検討の際にはマンション付属のエレベーターのメーカーやそのトラブル実績も充分に確かめられることをお勧めします。

<<マンションの所有者へ>>

発注前に充分に検討して置くべきこと

1.メーカーの能力だけでなく、過去のトラブルの実績やサービス体制の実情を調べ置く事。  

特に過去の三菱自動車のように、自己責任を回避するような会社は避けること

2.エレベーターを発注する時は、将来のメンテナンスを考えて発注すること

3.発注仕様書にその条件を明記しておくこと

4.特に、ブラックボックスになりやすい、コンピューターを利用したデバイスの保全をどうするが明確にする。基本的には保全の責任はメーカー側にする

<<発注の条件>>

A.納入後の保全をメーカーに依頼する場合  

工事見積もりとは別に、保全に関する下記のような諸条件、その為の費用の見積もりを別途提出させ、業者決定の資料にする。

B.発注側にエレベーターの保全責任者がいて、発注側で保全実施の全責任をとる場合

1.以下のことを見積もりの条件にいれる。

(1)保全に必要なマニュアル、構造の明細書の提出。

(2)保全に必要な予備部品の適正価格による提供と以後の円滑な供給(3)発注先に要請に応じ、指導員の派遣等の協力の確約

2.保全責任者に建設当初から参画させ、特に上記の件のチェツクや、建設時の立ち会いに当たらせる。

3.もし上記の件で自信がなければA.の選択も考慮する。            

C.発注側にエレベーターの保全責任者がいなくて、納入後の保全をメーカー関係以外の保全業者に丸投げする場合

1.保全を他業者に発注すること、B.1.の条件を入れる。保全業者により、B.1への対応が変わることがないよう確約させる。

2.オーバーホールや重要設備の保全工事に対する監督者をメーカーから派遣して貰う。発注契約書に明記する。

3.保全業者に保全記録のを全て提出して貰い、業者を変えるときに、その伝達を確実にする。

要は、

1.エレベーターの問題は発注時の業者の選定とその発注書類によるその責任の明確化がすべて決まって仕舞う事を忘れてはならいことだと思います。

2.納入後の保全をメーカーまたはその関係会社以外で計画されている時、指導員の派遣は、設備の重要性、ブラックボックスであるコンピューター機能が入っていることと、メーカー責任の明確化から、絶対外せない条件です。

3.特に官庁の方は、競争見積もりがやかましく言われている時で、大変と思いますが、この事は心に止めておかれたほうが良いと思います。