福田さん麻生さんの演説を聞いていると、「改革」の言葉が盛んに出てくる。
然しその中身についての説明は殆どない。
そして二人の今までの言動や発言から来る印象は、新規分野の改革より、本心は改革の見直しをしたいのだが、選挙用に受けの良い「改革」の続行を言っているだけのような気がした。
その点真っ正直に小泉路線継承を訴えた安倍さんと全く違っている。
両候補が盛んに言う改革の光と影とはなにか、小泉さんの改革と称してやってきた事は何だと考えてみた。
最初に断っておくが、
1.私の考え方
私が何度も書いたように、安倍さんは小泉路線の継承でなくて、小泉路線の脱却もしくは見直しをスローガンにすべきだと書いてきた。
そして私の予想が幸か不幸か当たって、復党問題からケチがつき始め、小泉さんが仕残した年金問題、改革の結果生じてきた格差が拡大した地方からの反発と彼の政治手法の拙さと相まって結果がこんどの大敗だ。
詰まり今回の大敗の大半の原因は小泉改革の負の部分にあったと言っても言い過ぎではないだろう。
2.小泉改革時の情勢
小泉改革の問題点に就いて書くが、当時はバブルの崩壊、小泉さん以前から増大し続けてきた大赤字、少子高齢化の進行、そしてなによりも中国の台頭に伴う企業の相対的競争力の低下と言う、経済情勢の大きな変化に晒されており、問題点の全てが小泉改革やその政策の責任ではないことだ。
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小泉改革と政策の成功例
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1.財政緊縮政策に転じたこと(成功例ではないが止むを得ない対策)
2.自民党内の派閥の影響力の低下
3.構造改革特区では地方での限定的な規制緩和を行い、一定の成果を挙げた。
安倍さんなどは、改革のお蔭で日本経済がプラス方向に転じたと言うが、中にはそれは企業の自助努力のおかげ、むしろ政府がなにもしなかったのが良かったと言う人もいる。
私も後者の意見だ。
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小泉改革と政策の問題点
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[基本政策]
1.アメリカの年次改革要望書の遵守
日本の国情や日本人の考え方の無視
2.郵政事業の民営化、道路関係四公団の民営化→成果は今後の成り行き次第だ。
3.郵政事業等の民営化の最大目的である特殊法人と特別会計問題は殆ど手つかずの状態
[地方対策]
4.公共事業費削減
公共事業に頼ったきた地方の疲弊
5.三位一体改革の名のもとの地方への補助金の削減→大都市と地方の格差の拡大
4.5.に対する政策の実施に伴うケアは地方自治の名の元の地方任せ。
[企業・銀行対策]
6.ゼロ金利政策で、国民のゼロ金利と言う犠牲の元のでなされた銀行の急速な回復、大幅な黒字に転換→国民の犠牲の状態のまま放置
日本の銀行は国民の犠牲の元に提供された利子ゼロの資金を外国のファンドに廻す→ファンドが日本の経営者を脅かす。
7.市場経済中心主義の考えに基づく諸規制の廃止
8.株式持ち合い制度の廃止に伴う、ヘッジファンドなどで経営者の余分の精力をそがれる。
7.8.の結果金が全ての風潮の増加→企業モラルの低下
会社は株主、経営者、従業員、ユーザーの物だと言う日本的考え方がなくなる。
9.企業経費削減を目的とする労働者派遣法の規制緩和→正規雇用と非正規雇用に二分化→賃金格差や貧困層の拡大
[福祉関係]
10.医療制度改革の名の元の国民負担の増加
11.障害者自立支援法→障害者福祉の分野で自己負担が増える→障害者の生活が逼迫
[海外問題]
以下の問題は賛否別れる所だが、
12.イラクへ自衛隊派遣、自衛隊によるアフガン沖の給油
そのため都度憲法解釈を変えてきた。
13.靖国問題で中国、韓国との関係こじらせた。
14.小泉さんの米国一本槍政策で、国民に日本のあるべき姿を忘れさせ、自立の精神、自主独立の外交等の考えを薄れさせた。
逆にこれが所謂ネット・右翼を輩出させた。
思いつくまま並べて見て、改めて思うのだが、改革の負の遺産特に一般国民の負担の増加が余りにも多すぎる。
そして前にも書いたが、これは必ずしも小泉改革や政策全ての責任ではないが、いずれにしてもこれが日本が直面している現実だ。
これはを放って置いたのが大敗の大きな原因となったのだ。
この現状を打破するには私が安倍さんに対して書いた様に、次期政権も改革の続行でなくて、小泉改革の脱却、または見直しを基本方針にし且つスローガンにすべきだと思う。
参照:
カテゴリー → 安倍内閣
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