普通のおっさんの溜め息

戦前派から若い世代の人たちへの申し送りです。政治、社会、教育など批判だけでなく、「前向きの提案」も聞いて下さい。

総裁選挙の立候補者の共同記者会見

2008-09-11 11:18:35 | 福田内閣

 昨日、NHKで自民党総裁選挙の立候補者の共同記者会見の模様を放送した。
 その概要を報告し私の感想を纏めてみた。(括弧内は私の意見)

[全員が一致した政策]
・新テロ対策特別措置法の延長
・09年度から基礎年金の国庫負担を引き上げる政府方針

[意見が別れた政策]
・基礎年金の国庫負担を引き上げのための財源確保

 麻生さん:景気が回復する前に上げると景気を著しく冷やす可能性がある、特別会計の余剰金の利用ど当面を凌ぐ
 与謝野さん:安定財源は消費税しかない。歳出削減後の増税
 石原さん、小池さん:当面の税率引き上げに否定的
(5人とも何時かは消費税増税は必要では意見が一致している)

・捩じれ国会が続く場合の大連立構想
 麻生さん:小選挙区制度では極めて難しい
 与謝野さん:衆院選後も衆参のねじれは残る。自民党の大事な宿題だ
 石破さん:民意の無視で、全く理解できない。政策の根本が違う政党が組んで何になるのかと真っ向から反対
 小池さん:次の総選挙の勝ち方、負け方から政治のダイナミズムがさまざまな形で起きてくるだろう。政策方向が一致する政党が力を合わせるのも選択肢の一つかももしれない
 石原さん:政治的テクニックとして十分考えられる。次の首相は大連立も次のカードを切っていかなければ、ねじれは解消しない
(私は大政翼賛会を思わせるような大連立は反対、後のNHKで話されていた部分的な政策協議は賛成

・衆議院解散時期
 与謝野さん:補正予算案の成立後の衆院解散が望ましいとの考えを示した。
 他の四人は次の総理が決めることだと言って明らかにしなかった。
(他の4人の内何人かは先ず補正予算を通すべきだと言っていたがそれには賛成。
 何故なら、選挙中はマスコミは年金、後期高齢者医療制度で怒る老人、出鱈目な社保庁、特定財源を使った健康用具、安倍さん、福田さんの突然の辞任、(その原因となった小沢さんの審議拒否などは殆ど放送しない)
などを繰り返し放送はしても、自民、民主の政策の違いなど殆ど放送しないので、国会での論戦を盛り上げて、マスコミの注目を引き、自民党の主張を国民に知って貰うのが一番だ。)

[その他の印象に残った発言]
・小池さん:「原油価格高騰など資源問題で、今の経済の構造が大きく変化しつつある。新エネルギー技術に優れている日本は、これをツールにして経済成長を図るべきだ。」
 「一方、中国では経済発展に伴い富裕層が増え、より高級な農産物の需要が増えている、日本も今まで護りや保護の農業政策を改めて、これからは農産物の輸出など、攻めの政策に変わるべきだ。」と一人前向きな主張をしていた。

・与謝野さん:小沢さんとの比較を問われて、私の方が上と思っていた囲碁では少し怪しくなったが(笑い)、政策面のでは私の方が上だ。
 候補者のセールスポイントについて、石破さんが熱弁をふるった後、次に与謝野さんの番になって、「(彼と違って)羞恥心があるのと謙虚なのが私のセールスポイントだ」(大爆笑)。
 私もそうだが、与謝野さんが真面目一方と思っていただけに、彼の冗談が大受けしたのだろう。
 彼の思わぬ一面を見てマスコミの彼に対する評価が上がったのは間違いないだろう。

[私の意見]
 共同記者会見の様子と同日夜、同じ5人が集まったNHKの放送と併せて考えてみた。
・5人の候補者の敵は小沢さんだ
 麻生さんもNHKで言っていたが、5人の間で、経済政策、消費税増税問題で大きく意見が別れているように見えるが、増税の前の歳出削減、政府が決めた総合経済政策の実施、何時かは消費税増税をしなければならぬことなど、意見の一致することの方が多い。
 総裁選で勝つための相手を蹴落とすような泥試合を止める事、少なくとも相手を中傷しないこと、候補者の最終の相手は小沢さんと言う事を忘れないで、党内論争での発言を民主党から利用されないように注意すべきだ。

・選挙後の候補者の協力
 誰が総裁になっても、5人とも優れた人だし、前に書いた様にその意見の隔たりは、そう大きくないので、新内閣では麻生さんと与謝野さんの協力は勿論、全員参加して民主党の当たること。
 特に私の印象に残った小池さんの主張は、その他の5人が厳しい環境を反映して、後ろ向きとも取れる(そして暗い)発言が続くなかで唯一の前向きで明るいものだった。
 彼女の意見は、量的な面からどれだけ、経済の成長に効果があるか疑問の点もあるが、暗い話題が続く中で国民に希望を与えるような、明るい話題を出す彼女にセンスは優れていると思う。
 新内閣発足後の衆院戦でも彼女のセンスは活用すべきだと思う。

・麻生さんのぶっきら棒な発言
 共同記者会見で一番気になったのは麻生さんの木で鼻を括ったようなぶっきらぼうな発言だ。
 一例を上げれば、他の候補者より優れている点を訊かれて、他の人達は自分のセールスポイントを色々並べているのに唯一言、「強み?経験かな」。
 今までの記者会見の彼の発言ぶりから考えると、問題質問を良くする旧知の記者の質問への対応の仕方と良く似ている。
 言うまでもない事だが、記者の質問に返答することで、自分を国民に知って貰う意味もあるので、記者でなくて国民を相手に話すような話し方をすべきだった。
 なおもっと悪く考えれば、いずれにしても総裁選に勝つという驕りからのぶっきらぼうの発言と、党内からの反感を買うこともあるかもしれない。
 夜のNHKの番組では丁寧な物言いをしていたのに、記者会見で虫の居所が悪かったのかも知れないが、何故あのようなぶっきらぼうな発言をしたのだろう。
 私は麻生さんの選挙区民だが、少なくとも今回の記者会見の評価は5人の候補者の中では最低だと思う。
 麻生さんの支持者は彼の失言癖をいつも心配しているそうだし、今回の彼の物言いかたに就いても彼に直言して直して貰うべきだ。
 今朝のフジテレビで民主党員へのアンケートで、一番戦い難い相手と戦い安い相手には何れ麻生さんがトップになっていたが、戦いやすい相手の理由として彼の失言癖を上げていた。
 麻生さんは何もマスコミにおもねる必要は無いが、政治家の失言を取り上げて誇張し執拗に報道するマスコミ、そして選挙中のテレビの放送がその結果に及ぼす影響の大きいことを考えて、マスコミにもっと丁寧に対応すべきだと思う。

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