普通のおっさんの溜め息

戦前派から若い世代の人たちへの申し送りです。政治、社会、教育など批判だけでなく、「前向きの提案」も聞いて下さい。

新自民党総裁の戦う相手は誰か

2008-09-14 18:24:24 | 福田内閣

 今、自民党は総裁選で盛り上がっている。
 言うまでも無いことたが、誰が総裁になろうと当面の敵の小沢民主党と政権奪回を目指して戦わねばならない。
 然し、もし自民党にとって幸いにも政権を維持した後も、総理となる新総裁はその政策遂行の為には"敵”とは大袈裟だが、小泉さん流に言えば「抵抗勢力」と戦わねばならない。

 それで志半ばで職を辞した安倍さんと福田さんの例を上げて誰が二人の足を引っ張り、遂には政治家生命に大きな影響を及ぼす政権放棄と言う決断をしなければならなかったかを考えて見た。
 なお政権を放棄した安倍さんや福田さんへの批判は当然あるがここでは省略する。

[首相にとっての抵抗勢力とマスコミ]
・小沢さん
 総理として政策遂行のための当面の障害になるのは野党で、首相としてそれに対処しなければならないのは当然のことで、ここでは小沢さんだけに絞って考える。
 小沢さんは当面の局面を打開するために安倍さん、福田さんが模索した話し合いを拒否した。
 そして解散、総選挙のためあらゆる手段を用いて抵抗し、結果的には日本の政治は停滞しさせて二人を退陣に追い込んだ。
 小沢さんの手法については世論の反発が強く、昨日も書いたように数々の問題で福田内閣の支持率が大きく落ちている、民主党にとっては圧倒的な有利な状況であるのに、首相としての相応しいのは麻生さん29.2%にたいして小沢さん7.8%しかない。
 問題は福田さんの辞任は大きく報じられ、福田さんは批判の的になっても、その辞任の理由の一つになった、国会の停滞をもたらした一番の張本人の小沢さんに対する批判が全くないことだ

・公明党
 国会会期や解散の時期、海上給油のための再可決反対など、党の事情からは当然とも言えるが、これは国政よりも党の利益を優先させたもので、福田さん辞任の一つの理由となった。

・一部の自民党員
 前回の総裁戦で、各派閥や黒幕の人達が共謀して福田さんを担ぎ上げた。
 その人達の中には、昔からやってきたように、自分たちの言いなりななりそうな人を首相にして、後は自分たちで上手く操作しようとした人達もいたようだ。
 その一例は、福田さんが道路関係の特別会計の一般化と言う(彼にしては珍しい?)決断をした時、福田さんを推した道路族が言った「これで彼らの主張する道路建設は予定どうり出来る」などの発言だ。
 その他、自民党政権の末期現象が始まっているのに、渡辺喜美さんの公務員制度改革の足を引っ張り、自分たちが担いだ福田降ろしを画策するなど危機意識が欠如しているとしか思えない行動を公言するなど呆れるばかりだ。
 自民党員の危機意識の欠如が、国民が「頼り無い民主党でも一度政権を任せて見たら」と思わせている一つの原因となっていると思う。
 なお公務員制度改革については毎日新聞の岸井さんの公務員改革法と渡辺担当大臣、涙を流したその理由
を是非覗いて見て下さい。

・対公明党
 もし首相との意見が違うときは調整に全力を上げるのは勿論だが、その信念を通すためには関係がぎくしゃくするのを恐れないこと。
 首相の信念が強いことが判れば、公明党も今更民主党にくっつくことも出来ずに折れてくると思う。(もしその様な行為があれば公明党は完全に国民から見放されるだろう。)

・官僚
  年金問題で揺れる社保庁、道路関係の特別会計を利用した無駄遣い、防衛省事務次官の汚職など、監督の責任に当たる自民党内閣の責任を追求された。
 そのほか渡辺喜美さんの公務員制度改革の諸提案に対するゼロ回答なども福田さんの足を引っ張る原因となった。
 上記の岸井さんのブログによれば、これはある新聞社と官僚がタッグマッチで安倍を倒したといふうに伝わっているものなのだが、なぜ官僚が安倍を倒しにいったかといえば、渡辺大臣が公務員制度改革に躍起になったからだと言われている。
と書かれている。

・閣僚
 公務員制度改革は福田内閣の基本政策であるのに、総務大臣の増田寛也さんを除く殆ど全ての閣僚は、首相である福田さんの指示より官僚の立場に立って官僚の主張するゼロ回答を支持した
 
何とまあとんでもない話と思いませんか。

・マスコミ特にテレビ
 現在は自民党総裁選の報道で政権交代論者の私から見れば、「民主党が埋没しかかっている」と言いながら、そのマスコミが余りにも自民党寄りの報道をしていると思うが、これがいざ衆院選になると、その報道内容が一転することを考える必要がある。
 正直な朝日新聞系のマスコミ特にテレビ朝日は反自民の旗印を明らかにしているが、それに引きずられた他のマスコミ特にテレビの選挙中の報道の内容は容易に想像出来る。
 安倍さん、福田さんの突然に辞任、年金、後記高齢者医療制度に対する国民の不満、数々の官僚の無駄遣いなどなどを繰り返し繰り返し報道。
  それは明らかに衆院選の問題点だが、明らかに自民党政権は批判に繋がるものだ。
 然し、今日の状態を作った、小沢さんの異常な国会対応や、投票の参考となる各党の政策の説明や各党の政策批判などは殆ど報道しないのは眼に見えている。
 一方、選挙になってどの政党に投票しようかと始め考え出した浮動層と言われる人達が、そのようなテレビを見てどの党にすると決める
 そのテレビの内容は明らかに政権与党にとって不利な情報ばかりだ。
 それで投票結果は世論調査など数字より大きく振れて来る。(それをテレビ・ポリティクスと言うそうだ。)
 
[自民党新総裁への提案]
・最強の内閣を組織すること
 麻生さんは仮に自分が総裁になっても今の候補者から登用することも考えると言っているそうだが、誰が総裁になっても是非今の候補者を含む、信念を持った最強のメンバーを登用すること。
 まして今度の総裁戦の論功行賞など思わせるような人事は避けること。
・民主党の政策を真似して、厚生労働省など問題の省には副大臣などのほかに特別多くの議員を配置すること。

・自分の信念を貫くこと
 今度の総裁選は推薦派閥のしがらみが少ないので、福田さんなどよりかなりやりやすいと思うが、選挙戦に勝ったとして、今までの例から考えると必ず出てくる族議員などの主張より政権与党として決めた方針の遂行を優先すること。
 閣僚の登用の条件として官僚の保身のための主張より、党の政策を優先することを本人に明らかにして置くこと。
 それでも個々の案件で反対する大臣に対して話し合うか、それでも言うことをきかない大臣は更迭すること。
 そのことで党内から総裁降ろしの動きが出てくるかもしれないリスクを思い切ってとること。

対官僚
・公務員制度改革で官僚の定年までの地位保全を図るとともに、一般企業の様に提案制度を採用して活性化や問題意識の向上を図ること。
 一例として官僚から天下り機関の例えば10%減の提案をさせ、もしゼロ回答の場合は事務次官の更迭をすることで首相の決意の固いことを皆に知らせること。
 勿論政府の施策に対して対案も出さずにゼロ回答する場合も同じだ。

対野党
・特に解散前までの方針として、野党対策としてはその政策や主張の良いものは積極的に採用する一方、理不尽な攻撃に対しては、今までのように言い訳ばかりせずに反撃し自分たちの主張の正しいこと、野党の主張の不備な点を突いて攻撃すること。

解散時期とマスコミ
・解散時期としては総裁選で盛り上がった内に早期解散しようする動きが自民党にあるそうだが、前述のように゛選挙中は殆どのテレビが事実上、野党側に加担する形にの報道に成りやすいので、自民党としては民主党ばかり見ないで、補正予算の成立、テレビの影響も充分に考えて、解散時期を決めるべきだと思う。

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