小沢さんが代表3選され、所信表明演説をしたことに対して、日経を除く4大新聞がそれぞれ社説を発表している。
読売新聞
評価:
・(財源問題に批判に応えて)政策の実施時期や財源確保の手順を明らかにした
問題点:
・来年度予算で何を削り、何を実施するのか。その後の「総組み替え」をどう進めるのかが不透明
・今後の「テロとの戦い」にどう関与するのか現実的な対案の党内の論議さえ封印
・郵政民営化の抜本的見直しは特殊法人、特別会計の原則廃止を唱える民主党の行政改革路線に逆行
朝日新聞
評価:政策の実施時期や財源確保の手順を明らかにした
問題点:日本郵政株の売却凍結や4分社化の見直しは、民主党が主張する統治機構の抜本改革と矛盾
毎日新聞
評価:
・「生活」「脱官僚」を争点にした
・政策の実施時期や財源確保の手順を明らかにした
問題点:
・財源の捻出方法が不明
・「脱官僚」の国家像が具体的に示されていない。
産経新聞
評価:
・政策の実施時期や財源確保の手順を明らかにした
問題点:
・日本をこうするという国家像はあいまい
・政治・行政の仕組みそのものを変え、予算を総組み替えに伴う、統治制度の破壊というリスクについての説明不十分
・日本郵政株の売却凍結や郵政事業の4分社化を見直しは「官から民へ」の改革の逆行
「特別会計廃止」の方針と、膨大な郵貯・簡保資金が特別会計を肥大化させ、政官業の癒着構造を支えてきた事実との矛盾の説明が必要
[私の意見]
評価できる点
・与党やマスコミからの財源問題に批判に応えて、政策の実施時期や財源確保の手順を明らかにしたことは一歩前進だ。
・最近の農水省、厚労省、国土交通省などの問題を見ると、民主党の「脱官僚」政策、それと小沢さんの言う百人の議員を官庁に投入の考え方は、国民から受け入れられ、「頼り無い民主党」でも一度やらしてみたらという一番大きな理由だと思う。
しかし、過去の田中真紀子さん、小池百合子さんと事務次官の戦い、鈴木宗男さんと外務省の戦いを見ても、リーダーの強い意志(小沢さんの剛腕の発揮のしどころか)と、有志の自民党員との連携が無ければ「脱官僚」は出来ないと思う。
その為には大がかりでなくて、問題の社保庁などに焦点を絞ってとり組むことも考えられるが、民主党の支持母体の自治労の協力がどれだけ得られるか、今までの民主党の言う様に、社保庁でさぼったり、不正を働いた人も救済するなど考えていたら改革などは出来ない。
これこそ民主党の真価が問われることと思う。
問題点:
・政策の実施時期や財源確保の手順を示したが、なおその財源をいかに確保するかは明らかになっていないようだ。
・各社が指摘しているように、国民新党の協力を得るために、民主党の従来からの主張と矛盾する政策を選挙で追求されるのは、自民党総裁選の立候補者がたびたび指摘しているのからみても明らかだ。
・読売が言う様に海上給油かそれに代わる「テロとの戦い」に如何に貢献するかについても自民党からの攻撃は当然あると思うので、民主党としては頰かむり出来ないのは確かなので対案を嫌でもつくって置かねばならない。
民主党は次の政権政党としての具体案を示せ
以上書いた問題点は当然、今後のマニフェスト作りに反映すると思うが、一番の問題点は民主党が政権を取った後、野党に廻った自民党からの猛攻撃に耐え得る政策ができるかどうかだ。
何故なら何時も言うことだが民主党政権が自民党の攻撃に耐えきれずポシャッたら、過去の政治の歴史をみても、もう二度と政権奪回の機会は失われ、また自民党政権が続くかも知れないからだ。
民主党応援?のマスコミ
今の情勢は世論調査から見てもまだ自民党が有利だ。
然し、小泉さん以来の最近の選挙戦を見ると、マスコミ、特にテレビが選挙戦の結果に大きな影響を与えており、それが世論調査の数字より大きく振れて、小泉さん大勝、民主党大勝をもたらしている。
今までの例から見ても自民党が余程の奇策を用いない限り、選挙戦中のテレビがどのような選挙関係の放送をするかを考えると、結果的には民主党応援の形になるのは容易に想像できることだ。
詰まり民主党はマスコミ、特にテレビの応援でその世論調査の支持率より有利な形での選挙結果に終わる確率が高くなるのは間違いないと思う。
だから民主党は野党の立場のマニフェストでなく、今回は政権与党としてのマニフェストを作るべきだ。
そうしないと政権交代論者の私が心配するように、政権が転がり込んで慌ててマニフェストを見直しても間に合わず、一代限りの民主党政権、あとはまた延々と自民党政権が続くことに成りかねないからだ。
小沢さんの低支持率
それともう一つ、今朝のNHKの解説で民主党が抱える不安材料の一つとして小沢さんに対する世論調査の低支持率を上げていた。
民主党が勝利を確実にするためには、国民は抱いている首相としての小沢さんに対する心配を払拭するような説明がいると思う。
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