昨日のNHKスペシャル「決戦前夜~政権攻防の行方を追う~」では衆院選直前の各党の動き、とくに自民党と民主党に焦点を当てて放送していた。
[真面目な国民は何を考えているのか]
自民党:
小泉改革を支えてきた武部勤元幹事長を囲んでの北海道の農民との懇談では、農民側のが小泉改革の歪みと、世界の経済の情勢の変化に自民党が対応出来ないとの訴えに、武部さんはただ頷くばかりだった。
民主党:
民主党の若手議員とその支持者の懇談会では、支持者達からの今のマニフェストでは奇麗事ばかりで、財源の裏付けがないのは世間からばら蒔きと言われても仕方がないとの指摘に、その議員は今党でその財源をどこから出すか検討しているのですがと言うだけで、ここでも支持者の声を聞くばかりだった。
その二例の他、両党の政策についての街頭インタビューでも皆尤もな意見ばかりだった。
昨日の放送に出た人達は、自分たちの生活の実感から、政治の世界の現状、自民、民主の抱える問題点を良く見ているように感じた。
このような人達ばかりだったら、これから政権がどうが変わろうとも、そしてその為に日本の進路が少しは揺れることがあっても、結局は正しい方向に進むに違いない筈だ。
[民主主義と衆愚政治]
然し現実は必ずしも上手くは行ってないようだ。
その理由は、
政治に無関心な選挙民
・政党は自分たちの主張を通すためには、党利党略も考えねばならぬので、国民が考える方向とは違う方向に走ることもあり、結果的に国民から遊離した立場に成りやすい。
その場合はその様な政党や議員は、最終的には国民の投票による審判をうけて排除されることになり、より良い政治家や政党が選ばれることになっている。
然しが、その投票する人達は、全て前に書いた様に政治に関心がある人達だけとは限らず、「モンスター****」も、新聞やテレビのニュースなど殆ど見ない、政治に無関心な人達も選挙権を行使して投票する。
ニュースなど殆ど見ない人達も、いざとなってテレビの報道を見て決めるか、また中にはそれさえも見ないで人気のある人達に投票する人さえいるかも知れない。
政治関係報道も視聴率重視のマスコミ
・文字通りの「浮動票」と言われるその人達の、多分殆ど唯一の情報源のテレビ放送の会社は、視聴率には関心があっても、見識があるとはとても思えない会社も多い様だ。
最近の例で言えば、放送では視聴率の上がる中山さんの失言問題の話ばかりで、(一部のテレビを除いて)国民生活に直結する大問題の財政経済問題はそこのけだ。
選挙中のマスミミ特にテレビは、前前回の「純ちゃんブーム」や刺客報道など自民党よりの報道、前回の赤城さんの「絆創膏報道」など民主党寄りの報道など、視聴率の取れる報道ばかりだ。
テレビ側の立場に立って言えば、テレビでは選挙報道の公平を期すために、自民から国民新党まで、ほぼ同じ時間を割いて、選挙運動の状況を放送していたが、それだけでは視聴率が取れないので、結果的には(一部テレビは意識的に?)前記の様に選挙の真っ最中と言うのに、一方に偏った放送になり、世論調査で予想される結果より大きく振れて、報道の被害に合わなかった方の大勝になった。
・今日の某テレビで、コメンテーターが、マスコミでは新閣僚の所謂「身体検査」を始めていると聞いて呆れた。
何としてでも自民党を倒したいマスコミならともかく、見識のあるスコミは今の様な日本にとって重大な時期に、まだほかにやることがあるのではないかと思う。
マスコミ報道に合わせる政治家
・政党や政治家もマスコミ、特にテレビの影響の大きいことを自覚して、つい耳障りの良い「ばら蒔き政策」に走ったり、マスコミが好きな閣僚の失言問題や、評判の悪い会社からの献金問題を取り上げて政府を攻撃するのに熱心、与党もその防御策に力を取られて、日本国民の生活安定に大きな影響を及ぼす、経済問題などの論議は殆ど聞こえて来ない。
衆愚政治を避けるために
参院選以後の国会での攻防を見ているとつい「衆愚政治」の言葉が頭に浮いて来る。
「専制政治より衆愚政治のほうが良い」という主旨の言葉があるそうだが、今は衆愚政治どころではない日本にとって重要な時期だ。
先ず国民が賢くなること、政治家が自分たちが日本のために何をすべきかを考えること、そしてマスコミは日本のオピニオン・リーダーとして、また一大権力機構として、日本をミスリードしないで欲しいものだ。
このブログを、より多くの人にも見て貰いたいと思っています。どうぞご協力をお願い致します。↓
政治ブログランキングへ
政治ブログへ