道東エリアでこれまで入浴した中で、個人的にも最も好きな温泉を紹介します。それが「鶴居ノーザンヴィレッジ ホテルTAITO」。鶴居村の市街地にある小奇麗なプチホテルで、自家源泉を持ち、日帰り入浴も可能です。実は僕達も日帰り入浴でしか利用したことがないのでホテルとしての評価はできませんが、タンチョウの聖地とも言える鶴居にあり、オーナーが自然写真家でもあることから、写真愛好家には大人気の宿のようです。
さて温泉です。十勝川温泉のモール温泉(十勝地域限定で北海道遺産に指定されているためか、他地域ではモール温泉という呼称はふつう使わない)同様に、透明感のある紅茶色の湯が湧いています。湯の花は黒に近い褐色。独特の色の正体は、温泉成分表では表しきれない腐植質(地層中の植物成分)で、これが天然の保湿成分となって、評判の「美人の湯」を作り出しているそうです。ナトリウム-塩化物-炭酸水素塩泉(低張性アルカリ性高温泉)の泉質も、アルカリ泉ならではのヌルヌル&ツルツル感をもたらしてくれます。泡付きも多め。さらにこの湯、香りが素晴らしい。特に内湯には、上品な花のような美しいアロマが漂い、リラックス効果抜群です。湯使いは基本的に源泉掛け流し。源泉の温度は確か50℃くらいで、冬季は加温する場合あり、らしいです。これまでの経験からして内湯は熱め適温(42~43℃くらい?)、露天は温め適温(40℃くらい?)なことが多いようです。
とにかくいいオヤジ達でさえうっとり長湯するような、素晴らしい温泉です!色も成分も十勝より濃いかも?釧路湿原の周縁部には同様の泉質を持つ温泉が多いのですが、僕たちはまだ入浴したことがありません。いずれはそちらの開拓もしなければと思っているのですが、TAITOで十分に満足しちゃっていて進みません(笑)。余談ですがサウナ横の水風呂の冷たさは鳥肌もの。それからホテルのフロントで売られている鶴居村産のソフトクリームはウマイですよ。
鶴居村は釧路から弟子屈・屈斜路湖へ向かう摩周国道(R391・R243)と、釧路空港から阿寒湖へ向かうまりも国道(R240)に挟まれた道道53号沿いに広がっています。摩周国道は道東にしては交通量が多く意外と時間がかかるので、その裏道として僕達は(もちろん地元市民も)鶴居村を走ります。なので釣りの途中に寄る機会も多くなるというわけ。