山本おさむ作「今日もいい天気 原発事故編」(双葉社)読む。10年前の「田舎暮らし編」に続く2012年連載の本編をコミックでまとめ読み。現在、『しんぶん赤旗 日曜版』に「完結編」連載中。今週は、飼い犬コタの左足がおかしいため埼玉の動物病院へ。
福島の岩瀬村で田舎暮らしを満喫していた作者による、第一原発事故被害の当事者としての記録。前編ののほほん感と隔絶する本編のリアルな緊迫感。その分、原発事故のとてつもない深刻さが迫る。外部の人間には、ユーモアにも映る右往左往ぶりにこそ人間の真実があると思う。「黒い雨」(井伏鱒二著)にあった、原爆の家屋倒壊で全身を挟まれ身動きできない主人公が、手の届かないところにある隣家からのスルメを見つけ必死に手を伸ばす場面を思い出す。表題『今日もいい天気』のなんという深い皮肉。
頻発している原発いじめは、誰が加害者と被害者なのかが徹底的に隠されているのが最大の原因。その代表が「アンダーコントロール」なるウソ発言。大人の代表による異常な情報操作。これでは、「原発事故のおかげで働かなくてもお金をもらえる家族」の流言は広がる。自分の体験を可視化する漫画の可能性を感じる。この漫画の情報こそ子どもたちに与えたい。重複障害児教育を描いた「どんぐりの家」(全7巻)も買い、一日一冊と決めウンウン反芻しながら読んでいる。無知が相模原の事件に対する鈍感さにつながっていると思いながら。
都合の悪い情報の隠しと操作。前まで見ていた「ダッシュ村」、その後はどうなっている?今日、国会喚問。異様な「忖度」による都合の悪い情報がどこまで出て来るのか。米露中韓よりひどいかも、と思うこの頃 コミックの帯にあった「重版出来」の四文字をどう読むとママヨさんに聞かれ、じゅうはんしゅつらい、じゅうはんでき、なんて読み、ドラマの題名にあったよなんて言われる。