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波風立男氏の生活と意見

老人暮らしのトキドキ絵日記

嘘をつく人の割り合い

2023年03月21日 | 日記・エッセイ・コラム

ノンフィクション作家が、当事者から話を聞く時に「1:1:8」の割合になると言う。いわく、2つの『1』は「嘘をつく」か「正直に話す」、『8』は「美化する」。そしてこの3つを見極めなければ仕事にならず、「どうしてこの人は嘘をついたり美化したりするのか」の理由を考えるのが大事だという。ノンフイクション文学とは、事実にもとづいて人間とは何なのかを探る記録文学だものなあ。例として、特攻隊の生き残りという嘘を何故つくのかは、周りから偉く見られたいとか今ある地位を守りたいとかその人の『原質』を知ることだと言う。

この作家は、今月9日『NHKBS 最後の講義』の講師、保坂康正氏。この番組は、「もし人生が最後だとしたら何を伝えたいか」を、「一度まとまった話を聞いてみたい」講師が多く、ほぼ面白い。4千人に証言取材し「戦争」を問い続けた保阪(敬称略)の話も、東条英機夫人に直接取材した生々しさに驚いたが、この高名なノンフィクション作家の仕事を波風氏が知らなかっただけなのだろう。この先週16日の講師が、演出家・宮本亜門氏で辛い自分を演劇にするエピソードに見入った。

 

ところで、正直に話すのが「1」の割りは多いのだろうか少ないのだろうか。氏が聞き取りする人は歴史の大転換点、異常事態の渦中がほとんどだからなのか、平時の庶民でもこの割合になるのだろうか。人は外に対して身を守らなければ生きていけないから嘘をつくこともあるとわかっていても、それに困惑したり悩まされることもあった。嘘を白昼堂々と百編言い続け、嘘を真実と入れ替えて平気な人は、責任は他に実りは自分に持ってくるから最終的に信用されない。庶民の生きる世界では、ここらの審判が正確に行われる。波風氏は強く決めている、「話は盛っても、自分だけ良く思われる嘘はつかない、ように努力する」と(笑)。これを読んでいるあなたは、正直者?嘘つき?美化する?


説教と自慢話と思い出話が老人の嫌われる話。正直に話するのを避ける小狡い話だもなあ。高田純次氏の言葉だが、いいかげんなのに「良い加減」の度合いがすごいね TVの英画『チップス先生、さようなら』を見ていたら、印象深い言葉がテレビ画面に並んで終わった。このことは今日の公式裏ブログ『英画「チップス先生、さようなら」の最後に』でどうぞ。

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