私見 9月入学(上)
9月入学の議論が起こっている。私は社会的な問題に対して自分の意見を言うのがとても苦手だ。常に幅広い視点で公平に物事を考えたい、と言えば聞こえはいいが、要するにはっきりと発言することから逃げている。だからこの9月入学も、結論から言えば私の意見は賛成でも反対でもない。ただ、これだけははっきりと言える。今ではない。この9月入学の話を具体化するのは、今ではない。ましてこの1、2年で実施することではない。確かに9月入学のメリットは理解できる。国際的にもそれが標準である。ただ、考えなくてはならないのは、「今」子どもたちにどういう手立てを取るか、ではないか。あらゆることを制限され、行事は中止になり、学力面での不安を抱える子どもたちのために今何をすべきか。
9月入学ならばみんな一斉に平等にスタートできる、というほど簡単な話ではない。子どもたちは、日々成長する。その中での急激な変化は負担となり、子どもたちから余裕を奪う。大人だって余裕がないときにあれこれ言われたら混乱するだろう。9月入学は、教育界だけではない社会全体の枠組みを大きく変える必要がある。今、社会全体にその余裕がないのに、果たして可能だろうか。子どもたちのために、と一致して取り組めることだろうか。感染症により終わりが見えない状況の中で、手探りでやるべきものではない。今社会全体を覆っている不安感に、大人さえも押しつぶされそうになっている。その中でどれだけ早急な9月入学に光を見いだすことができるだろうか。 (次回に続く)
【波風氏談】今朝の新聞に、「9月入学 直近は困難」(自民党ワーキングチーム)、「首相『拙速に行うことは無い』」(公明見送り提言に対して)の記事。社会的問題のブログUPは、タイミングが命。今日のブログ記事は先週送られてきていた サイトで見つけた前回と今回のイラスト。なんだかイイな。